外国人採用のカギは「適性検査」にアリ!外国人採用でミスマッチを避けるための適性検査活用法とは

採用面接 採用

新卒採用、中途採用の別を問わず、「適性検査」が求職者に課される場合が多くあります。適性検査は、その結果を通じて求職者の人となりを、より深く知ることができるとされています。

求職者が日本人であれば、面接を通じて相手のパーソナリティを推し量ることも難しくはないでしょう。しかし外国人を採用する際には、言語能力の巧拙が壁となり、日本人との場合にくらべて上手くコミュニケーションが取れないことも考えられます。

そういった場合でも、一定の基準に応じた判断材料を提供してくれるのが、外国人採用向けの適性検査です。検査にもいくつかの種類があるため、それぞれの異なる特徴をつかんでおくことで、自社の外国人採用に活かしやすくなるでしょう。

適性検査には「性格検査」と「能力検査」の2つがある

適性検査とは、求職者が企業で働くのに十分な資質を持っているかどうかを確かめるためのテストです。適性検査は大きく「性格検査」と「能力検査」の2つに分かれます。

「性格検査」は、受検者のとあるシチュエーションに直面した際の考え方や行動様式についての質問を通じ、求職者の性格を測定するものです。履歴書類の記述や面接での受け答えには現れにくい、行動や思考の癖がわかるとされています。

「能力検査」は、私たちが学校で行ってきたような学力テストに近いものです。国語や算数などの設問を通じて、一般常識や基礎学力を測ることを目的としています。

外国人向け適性検査では「日本社会への適応度」を測る

渋谷センター街

外国人の人材を採用する際、特に気をつけたいのは「日本文化とのマッチ度」です。慣れ親しんだ母国の文化と日本文化の間にギャップがあるのは当然なのですが、そのすり合わせが上手くいかず、せっかく日本企業に就職しても長続きしない外国人は少なくありません。

そのため外国人向け適性検査は、日本文化をどの程度理解しているか、また日本のビジネスマナーや社会常識的なルールに適応できるかを測るのが大きな目的となります。日本語運用能力の高低によって検査が不利にならないよう多言語対応している検査がほとんどのため、日本語能力を測定することはできません。日本語能力を測る必要がある場合は、適性検査とは別に日本語能力試験を受けてもらうといった工夫が必要です。

外国人求職者のコミュニケーション能力については、日本語能力試験の結果や、面接時の会話から判断するようにしましょう。

おすすめの外国人向け適性検査

外国人求職者向けの適性検査には、いくつかの種類があります。

その一部を抜粋して紹介します。

CQI

cqi
主な特徴米倉誠一郎氏(一橋大学名誉教授、法政大学大学院教授、ハーバード大学Ph.D)が監修している適性検査。特に「日本文化へのマッチ度(カルチャーフィット度)」「異文化への適応力(異文化アダプテーション力)」について測定する側面が強い。 それぞれを100点満点で表示し、求職者の自社への適性についてヒントを与えてくれる。回答方法は設問につき決められた選択肢を選ぶ方式。受検はWEBから行うことができ、1回あたり約25分程度の時間が必要となる。 他の検査に比べて対応言語数が多く、特に東南アジア地域の言語に強い。英語に対応しているため、アジア系以外の地域出身の求職者でもおおむね対応可能。 
対応言語日本語・英語・中国語・韓国語・インドネシア語・ベトナム語・ミャンマー語※今後も随時追加される予定 
料金【通常プラン】基本料金(年間) 0円検査料金(1枚あたり) 3000円対象枚数 1枚から 【半額プラン】1枚あたりの検査料金が、通常プランの半額になるプラン。ただし年間の検査実施数が100回以上500回未満であることが条件となる。 基本料金(年間) 15000円検査料金(1枚あたり) 1500円対象枚数 100枚以上から 【カスタマイズプラン】年間500回以上、外国人適性検査を行う予定がある場合はこちら。基本料金、検査料金とも見積もりを通じて自社に最適なプランを提案してくれる。 基本料金(年間) 別途見積検査料金(1枚あたり) 別途見積対象枚数 500枚以上から 

活躍する外国人を見抜く「外国人向け適性検査」│CQI-異文化適応力検査

内田クレペリン

内田クレペリン
主な特徴日本で開発された心理検査の中でも非常に長い歴史を持ち、90年近くに渡って利用され続けてきた。現在でも年間70万人ほどの受検者がいる。クレペリン検査では、主に「能力面の特徴」と「性格・行動面の特徴」がわかる。 1990年代から他の適性検査に先駆けて、海外人材採用シーンで使われてきた。韓国企業のサムスンが導入している実績もある。特に東南アジアを中心に現地の販売店を持っており、現地採用での利用に強みがある。 大きな特徴のひとつに、面接や質問ではなく「作業」を通じて測定を行うということがある。作業の内容は「隣り合う数字の和の下1桁を記入していく」というもの。前半・後半に分かれ、各15分、計30分で実施する。回答者の意図を極力排除し、純粋に受検者の心理を測ることが可能。身体的ストレスをかけることも検査の一環であるため、Webでの受検ができない。 
対応言語言語を使わない検査のため、どのような背景を持つ外国人であっても対応可能。検査キットの現地販売店がある国は以下の通り。 ・日本(東京アジア統括販売店)・中国(上海、深セン、香港)・韓国(ソウル)・台湾(台北)・タイ(バンコク)・ベトナム(ハノイ、ホーチミン)・マレーシア(クアラルンプール)・シンガポール・フィリピン(マニラ)・インドネシア(ジャカルタ)・ミャンマー(ヤンゴン)・ラオス(ビエンチャン)・カンボジア(プノンペン)・インド(ニューデリー) 
料金個別診断的判定 2420円個別診断的判定(曲線類型判定のみ) 770円ガイダンス判定 2200円 【数量的評価(PF判定)】・名簿+集計一覧 18249円(30名まで)※31名以上は1名につき608円 ・個票+集計一覧 31449円(30名まで)※31名以上は1名に月1048円 ※その他オプションサービスあり

内田クレペリン検査 〜例えばこんな方に 外国人 | 株式会社 日本・精神技術研究所(日精研) | 心理アセスメント・心理トレーニング

GSPI3

GSPI3
主な特徴リクルートが提供している外国人向け適性検査。日本人と比較しながら「職務能力の保証」と「社風とのミスマッチを避ける」という2点に主眼を置き、求職者の適性を測ることができる。 検査内容は「性格検査」と「基礎能力検査」の2種類。能力検査は4大卒の新卒、性格検査は一般企業社員をそれぞれ基準としている。日本人求職者向けのSPI3と同様の検査内容になっている。 検査にはWebまたはマークシートで回答できる。Web受検の場合、「自社で受検(インハウスCBT)」「受検者の都合の良い時間と場所で受検(WEBテスティング)」の2パターンから選べる。 
対応言語英語・中国語(簡体字、繁体字)・韓国語※Web回答の場合、英語と中国語(簡体字)のみ対応。 
料金初期基本料金 無料検査料(1人あたり) 6000円 ※その他オプションサービスあり

活躍できる外国人を採用するためにGSPI3を活用しよう!|SPI3トピックス

CUBIC(キュービック)

cubic
主な特徴「受検者がどんな人物なのかを客観的に知る」ことを目的とした適性検査。1つの設問が複数のパラメーターに関わっているため、受検者が模範解答を予想して回答することが難しい。また受検者が「模範的回答をしよう」と考えて回答したこともデータ化される仕組みとなっている。 採用時に使える検査は「採用適性検査(通常・ストレス耐性の2種)」「モチベーション測定」「能力検査」の3つ。3つの中から任意の検査をチョイスすることができる。「採用適性検査」の通常バージョンとストレス耐性バージョンには設問上の違いはないが、検査結果で確認できる内容が変わる。 1回20分ほどで回答でき、最短30分で検査結果がわかる。遅くとも翌営業日中には結果が判明するため、採用をスピーディに進めることができる。 
対応言語日本語・英語 ※英語版でも診断結果は日本語で帰ってくる。英語版では「関心事・興味領域」に関する設問が設置されていないため、該当する箇所の診断結果は表示されない。
料金【採用適性検査】・通常バージョン1~4名/月 1800円/人5~9名/月 1700円/人10~14名/月 1600円/人15名以上/月 1500円 ・ストレス耐性バージョン1~4名/月 2300円/人5~9名/月 2200円/人10~14名/月 2100円/人15名以上/月 2000円 【オプション検査】・モチベーション測定 400円/人・能力検査(言語・数理・図形・論理・英語) 500円/科目、人※各科目、基礎編・応用編・総合編がある

外国人の採用も考えているのですが英語の問題用紙はありますか? – 適性検査CUBIC

3E-IPグローバル版

3E
主な特徴採用サイト「en」を運営するエン・ジャパン株式会社が2014年にリリースした、外国人採用向け適性検査。「日本人と同じ目線で、外国人求職者の資質を判断したい」というニーズにもとづいて開発された。受検者自身が得意な言語を選択して受験できる。 検査内容は「性格検査」と「能力検査」に分かれており、全問回答で約45分必要となる。基本的にWebでの受検となり、受検画面はメールで通知される。受検後、即結果が報告されるため、待ち時間がなく非常にスピーディ。 検査結果は難しい言葉や専門用語を使わず、読みやすく受検者の特徴を把握しやすい表現で書かれている。そのため面接官の読解力に大きく左右されない判断が可能。 
対応言語日本語・英語・中国語※結果は日本語で確認可能
料金【標準プラン】・基本料 15000円・採点料 5500円/件 【パックプラン】・料金 120000円/20件

グローバル版適性テスト『3E-IP』 リリース | エン・ジャパン(en Japan)

適性検査の情報を活用してベストマッチ人材を雇用する

外国人求職者の採用は、コミュニケーション面の課題が多く、書類や面接で相手の人となりを理解しきれないパターンもあります。外国人向けの適性検査は、求職者のことをより深く理解し、お互いにミスマッチを減らす助けとなるツールです。

もちろん適性検査の結果が100%正しく、絶対とは言い切れません。最終的な合否の判断は、面接や書類の内容とも合わせて総合的に決定する必要があります。適切な判断を下すためには、利用する適性検査の結果の読み取り方を採用担当者自身がしっかりと把握し、情報を正しく得るスキルを身につけておくことが大切です。

併せてこちらの記事もどうぞ

この記事を書いた人
okaryuto

筋トレを愛するパワー系ライター。『誠実・正確』な文章で、価値ある情報を必要な人に届けることを目指す。教育、出版、WEB業界をふらふらと渡り歩き、浅く広くさまざまな領域に首をつっこみ続けている。3匹のねこと暮らす根っからのねこ派。

採用
人事向けの組織づくり・採用ノウハウ
タイトルとURLをコピーしました