人材不足が叫ばれるようになって久しい現代において、外国人は貴重な戦力になり得る人材です。コミュニケーションと手続きの面で特別な配慮は必要になりますが、採用候補の母数を広げられたり、現場社員に良い刺激を与えられたりと、企業にとって外国人を雇用するメリットは大きいといえるでしょう。
そこで今回は、外国人を対象にした求人サイトを10社ピックアップして紹介します。掲載媒体の選び方を説明したうえで、各社の特徴や魅力を解説していくので、外国人採用を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
外国人採用における求人サイトの選び方
まずは、求人サイトの選び方から見ていきましょう。サービスによって特徴が異なるため、以下3つのポイントを参考に自社に合ったものを選んでみてください。
では、詳しく解説していきます。
比較ポイント①:タイプ
1つ目の比較ポイントは「求人サイトのタイプ」です。
外国人雇用という視点から見た場合、求人サイトのタイプは大きく「特化型」と「総合型」の2つに分けられます。採用活動の目的や求める人物像、企業側のサポート体制などによって向き不向きがあるため、それぞれの特徴を簡単に確認しておきましょう。
特化型
「特化型」は、日本で働きたい外国人を対象とした求人サイトです。幅広い業種の求人を掲載しているものから、特定の業種・職種や雇用形態に絞ったものまで、さまざまな特徴・強みを持ったサービスが存在します。
最大のメリットは、グローバル採用のノウハウが豊富に蓄積されていること。求人情報を多言語で掲載したり、ビザの申請・更新サポートを行ったりと、グローバル採用ならではのサービスを展開しているため、外国人を初めて雇用する企業でも戸惑うことなく利用できます。
総合型
「総合型」は、日本人求職者も利用する一般的な求人サイトです。
外国人人材に絞った採用活動は難しくなりますが、「特化型」よりも登録者数が多い傾向にあるため、求人情報を広く発信したい場合に向いています。また、日本語ベースのサイトが多いため、日本の生活に慣れている人や日本での就業経験がある人と出会える可能性が高いです。
ただし、こちらはあくまでも国内向けのサービスなので「特化型」のようなグローバル採用に特化したサポートは基本ありません。在留資格の確認や行政への届出など、外国人雇用ならではの注意点や手続きもあるため、企業側でしっかりとサポートできるよう事前準備を徹底しておく必要があります。
※外国人を雇用する際の注意点を知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください
>外国人を雇用する際の注意点は?社員・アルバイト採用を成功に導くポイント
比較ポイント②:料金形態
2つ目の比較ポイントは「料金形態」です。
求人サイトの料金形態は、主に3種類あります。
それぞれにメリット・デメリットがあるため、詳しく確認していきましょう。
掲載課金型
「掲載課金型」は、求人広告の掲載に対して料金を支払うシステムです。掲載期間や掲載順位、広告のサイズなどによって料金が決まるケースが多く、大手求人サイトや紙媒体(新聞や求人誌など)ではこの形式が主流となっています。
メリットは、何人採用しても料金が変わらないことです。発生する料金は基本的に掲載料のみなので、追加費用を気にする必要がありません。次に紹介する「成功報酬型」は採用人数によって料金が変動するため、複数人を雇用したい場合はこちらのタイプが向いているでしょう。
しかし、その一方で、採用人数が0人でも掲載料金が発生するというデメリットがあります。「求人広告にコストをかけたのに、応募者が1人も来ない」といったリスクもはらんでいるため、予算を無駄にしないよう掲載先は慎重に選びましょう。
成果報酬型
「成果報酬型」は、採用が決定した時点(採用成果報酬型)もしくは求職者からの応募があったタイミング(応募課金型)で報酬が発生するシステムです。
こちらのメリットとしては、初期費用(掲載料金)無料で求人情報を発信できることが挙げられます。仮に応募が来なかったり、採用決定に至らなかったりした場合も費用を支払う必要がないため、無駄なコストがかかりません。そのため、「掲載課金型」よりも低いリスクで採用活動をスタートできます。
しかし、採用難易度の高い職種など、場合によっては成功報酬が高額に設定されている可能性があるため注意が必要です。また、「複数人採用した際に割高になりやすい」「掲載期間が長引くと求人が埋もれやすい」といったデメリットもあるため、採用計画を固めた上で利用可否を検討するようにしましょう。
掲載課金+成功報酬型
「掲載課金+成功報酬型」は、上記2つの料金形態を掛け合わせたシステムです。主に管理職や専門職などのハイクラス求人をメインに取り扱う求人サイトで使われています。
初期費用に加えて追加報酬もかかるため費用は高額になりがちですが、その分、採用難易度の高い人材を採用できるチャンスが広がります。即戦力を集めやすいというメリットがあるので、幹部候補や専門知識を有するスタッフを採用したい場合は、こちらも検討してみてはいかがでしょうか。
比較ポイント③:サポート体制
3つ目の比較ポイントは「サポート体制」です。
このサポート体制は求人サイトによって大きく異なる部分であり、広告掲載のみの対応としているサイトから採用支援サービスを設けているサイトまで、その内容は実にさまざま。サポートスタッフが在籍しているサービスもあるので、外国人雇用が初めての企業や人的リソースが不足している場合は、サポートの充実した求人サイトを選ぶのがよいでしょう。
雇用形態別!外国人採用に特化した求人サイト比較10選
ここからは、外国人採用に特化した求人サイト10社を以下3つの項目に分けて紹介していきます。
・アルバイト採用向け
・正社員採用向け
・複数の雇用形態に対応
では、1つずつ見ていきましょう。
アルバイト採用向け
まずは、アルバイト採用に強い求人サイトを2つ紹介します。
・WORK JAPAN
・ニホンdeバイト
詳しく確認していきましょう。
WORK JAPAN
【料金形態】
掲載課金型
【料金】
アルバイト採用限定プラン:4週間¥30,000~
オールインワンプラン:4週間¥50,000~
【特徴】
「WORK JAPAN」は、登録者数10万人を誇る(2021年11月時点)外国人特化型求人サイトです。日本在住の外国人が登録されているため、採用に至ればすぐにでも入社が可能。日本語で入力した求人記事が8言語で展開されるため、さまざまな国籍の人材にアプローチできます。
また、面接予約システムが用意されているため、煩わしい電話での日程調整を行う必要がありません。求人掲載から面接結果の合否通知までをWebで完結できるため、スピーディーかつ手軽に採用活動を進められるでしょう。
公式サイト:WORK JAPAN
公式サイト:WORK JAPAN
ニホンdeバイト
【料金形態】
成果報酬型
【料金】
シンプルプラン(原稿作成代行なし):¥6,000
シンプルプラン(原稿作成代行あり):¥8,000
スタンダードプラン(原稿作成代行なし):¥10,000
スタンダードプラン(原稿作成代行あり):¥12,000
※いずれも応募1件あたりの料金
【特徴】
「ニホンdeバイト」は、英語・中国語・ベトナム語・韓国語に対応した外国人留学生向けのアルバイト求人サイトです。成果報酬型なので初期の掲載料金は無料。応募数に応じて料金が決定するシステムになっているため、低リスクで始めることができます。
また、採用担当者向けのページに外国人留学生を採用する際の注意点がまとめられているのもうれしいポイント。あらかじめ知っておくべき知識がギュっと詰まっているので、情報収集したうえで掲載の有無を検討できます。
公式サイト:ニホンdeバイト
正社員採用向け
次に、正社員雇用におすすめの求人サイトを3つ紹介します。
・Daijob.com
・外国人求人ネットACE
・リクナビNEXT
それぞれ解説していきます。
Daijob.com
【料金形態】
お問い合わせ
【料金】
お問い合わせ
【特徴】
「Daijob.com」は、外国人だけでなく、日本人のバイリンガル人材も多数登録している外資系・グローバル系企業向けの求人サイトです。登録者の3人に1人が年収500万円以上の即戦力人材となっており、特にITエンジニアの採用に強いといわれています。
また、スカウトメールの送信ができるのも特徴で、気になる人材がいれば直接オファーを送ることも可能です。忙しくて手が回らない場合は運用代行サービスにも依頼できるので、採用業務の効率化も図れるでしょう。
公式サイト:Daijob.com
外国人求人ネットACE
【料金形態】
掲載課金型、成果報酬型
【料金】
求人広告:1ヶ月¥180,000~(掲載課金型)
人材紹介:理論年収の30%(成果報酬型)
【特徴】
「外国人求人ネットACE」は、外国人キャリア及び外国人留学生を対象とした求人サイトです。アジア出身者を中心に、137カ国・6万人以上の人材が登録しています(2021年11月時点)。
このサービスの強みは、登録ユーザーの多くが日本企業での勤務経験を持っていること。ビジネスレベルの日本語(日本語能力試験 N1,N2)を習得している求職者が大半を占めるため、即戦力を求めている企業に向いています。
公式サイト:外国人求人ネットACE
リクナビNEXT
【料金形態】
掲載課金型
【料金】
¥180,000~
【特徴】
「リクナビNEXT」は、「株式会社リクルート」が運営する大手転職サイトです。外国人採用に特化したサービスではありませんが、会員登録者数が非常に多いため、日本での就職を目指す外国人求職者と出会える可能性も十分にあります。
また、国内最大規模を誇るだけあってサポートも充実しています。採用条件の打ち合わせができたり、取材をもとに掲載原稿を作成したりと、手厚いフォローのもとで求人広告を掲載できるため、幅広い層に向けて自社の魅力を効果的にアピールできるでしょう。
公式サイト:リクナビNEXT
複数の雇用形態に対応
最後に、幅広い雇用形態に対応している求人サイトを5つ紹介します。
・NINJA(NEXT IN JAPAN)
・YOLO JAPAN
・GaijinPot jobs
・NIPPON仕事.com
・A global harmony
上から順に見ていきましょう。
NINJA(NEXT IN JAPAN)
【料金形態】
成果報酬型
【料金】
人材紹介:想定年収の35%
人材派遣:要相談
【特徴】
「NINJA(NEXT IN JAPAN)」は、外国人求職者のための就職情報サイトです。運営会社「株式会社グローバルパワー」のメインサービスである外国人紹介もしくは外国人派遣サービスを依頼した企業に限り、社名非公開で無料掲載できる仕組みとなっています。
このサービスの強みは、134カ国・約4万人が登録された独自の外国人データベースを保有しており、さらにサポートも充実している点です。不明点があっても外国人の採用・雇用に関する専門知識を豊富に蓄えたコンサルタントが丁寧にレクチャーしてくれるため、戸惑うことなく進められるでしょう。
公式サイト:NINJA(NEXT IN JAPAN)
YOLO JAPAN
【料金形態】
掲載課金型
【料金】
お問い合わせ
【特徴】
「YOLO JAPAN」は、226カ国・20万の会員数を誇る(2021年11月時点)国内最大級の外国人向け求人サイトです。応募者の自己紹介動画が用意されているため、事前に映像で語学力や人柄などを確認したうえで選考フローを進めることができます。
また、サポート体制も充実しており、求人は6カ国語に対応。在留カードのチェック方法や外国人採用向けの面接チェックリストなどをまとめたガイドももらえるため、外国人雇用が初めてでもスムーズに対応できます。さらに、外国人の採用・就労に関する疑問を気軽に相談できる「外国人実習雇用士」も在籍しているので、安心感を持って採用活動を行えるでしょう。
公式サイト:YOLO JAPAN
GaijinPot jobs
【料金形態】
お問い合わせ
【料金】
お問い合わせ
【特徴】
「GaijinPot jobs」は、Webサイトの閲覧数が月間370万にも上る(2021年11月時点)外国人専門の総合求人サイトです。25~34歳といった比較的若い世代が登録人材の約90%を占めているため、若手採用に注力したいと考えている企業に向いています。
また、応募者の居住地が日本に限定されていないのも特徴的です。日本在住者(約80%)だけでなく、海外在住者(約20%)も登録されているため、居住地を限定せず幅広い層にアプローチできるでしょう。
公式サイト:GaijinPot jobs
NIPPON仕事.com
【料金形態】
成果報酬型
【料金】
採用1人あたり想定年収の20%~
(想定年収=月給×12ヶ月+賞与算定基準額×前年度実績賞与支給月数)
【特徴】
「NIPPON仕事.com」は、多種多様な職種かつ幅広い雇用形態の求人情報を案内する外国人向けの就職情報サイトです。採用成果報酬型なので、応募・面接人数にかかわらず、採用が決定するまでは完全無料。紹介料も比較的リーズナブルな価格設定となっています。
また、手厚いサポートを受けられるのも魅力的です。求人広告の作成や応募受付、面接のセッティングといった採用実務から、ビザの申請や更新といった外国人雇用特有の業務まで対応してもらえるため、人事担当者の負担を最小限に抑えられるでしょう。
公式サイト:NIPPON仕事.com
A global harmony
【料金形態】
掲載課金型、成果報酬型
【料金】
求人広告:1ヶ月¥50,000~(掲載課金型)
人材紹介:お問い合わせ
【特徴】
「A global harmony」は、外国人採用に完全特化した求人サイトです。登録人材の90%以上が日本在住者となっており、全体の約60%が20代・約30%が30代と比較的若手が多い傾向にあります。アルバイト、派遣社員、正社員とさまざまな雇用形態で募集できるため、幅広い用途に活用できるでしょう。
また、150社以上の学校(大学、専門学校、日本語学校など)と提携しているのも特徴の1つ。Webサイト上に求人広告が掲載されるだけでなく、提携先の学校にも求人票が送付されるため、新卒採用やインターンシップを検討している企業にもおすすめです。
公式サイト:A global harmony
外国人採用を強化するなら専門求人サイトの利用がおすすめ!
ここまで見てきたように、外国人向けの求人サイトは運営企業によって強みや特徴が異なります。採用の目的や規模、求める人物像などによって最適なサービスが変わってくるので、各社を比較したうえで、自社に合ったサイトを選んでみてください。
また、外国人雇用は敷居が高いと思われがちですが、サポートの充実したサイトを利用すれば、不安や疑問を1つずつ解消しながら選考を進められます。手厚いフォロー体制のもとでグローバル採用に挑戦できるため、外国人の受け入れにハードルを感じている方は、ぜひ利用を検討してみてはいかがでしょうか。