Facebook、Twitterと並ぶ主要SNSの1つであるInstagram(インスタグラム)。日常や趣味の一部を切り取り、画像・動画を気軽にシェアできるだけでなく、メッセージのやり取りも活発に行えます。
とりわけ2010年以降、利用者数が急増した背景もあってか、ビジネスシーンでの活用も珍しくなくなり、多くの企業が参入。PR活動や求人募集などで積極的に用いられています。
本記事では、採用活動にフォーカス。Instagram(インスタグラム)の設定から触れていき、運用方法のイロハにまで言及します。そのなかで、良い点・悪い点もご紹介。
総じて、おさえておきたい基本知識ばかりです。
ぜひ、チェックしてみてください。
採用活動にInstagram!まずはアカウントを開設しよう
Instagramの活用にあたって、まずはアカウントの開設が必要です。
種類は3つ。それぞれ特徴は異なりますが、使い方次第で採用活動にも適用できます。
開設方法の手順も含めて、知っておくようにしましょう。
個人用アカウント
誰でも簡単に開設できます。他のSNSの例に漏れず、複数のメールアドレスによっていくつものアカウントを作ることが可能です。企業とは別に運用することで、間口も広がり、違った角度での訴求にも寄与します。
個人用アカウントとはいえ、普段の仕事について触れても特に違和感はないでしょう。加えて、プロフィール欄の内容を定期的に変えてみるのも印象付けるには効果的です。採用のお知らせやサイトへの導線(リンク)の掲載もおすすめします。
クリエイター用アカウント
クリエイター向けのアカウントは、職人としての属性を証明するのに便利です。職業カテゴリはなんと41種類。幅広く利用されているのも頷けます。
実際、有名人・公人問わず、また、インフルエンサーから個人事業主まで肩書きはさまざまです。
ビジネス用アカウント
企業が使うもっともポピュラーなのがアカウントです。企業アカウントであることで、ユーザー(求職者)の心理的ハードルも下がるといえます。お問い合わせへの誘導もスムーズ。ホーム画面のメールや電話タップをコンバージョンポイントに設定し、アクセス解析・検証を繰り返しながら改善を図っていく運用方法は、いわゆるセオリーの一つに挙げられます。
開設方法の手順
AndroidならGoogle Playから、iOSならAppストアから、まずはInstagramをダウンロードし、起動させます。次に、「新しいアカウントを作成」ボタンをタップし、メールアドレスを登録。ユーザーネームや生年月日、パスワードもあわせて入力します。そうこうFacebookやTwitter、電話帳との同期(任意)や、プロフィール写真を設定すればアカウントはできあがります。
なお、この時点ではまだ個人用アカウントです。タイプの切り替えは、ホーム画面上部の「プロフィールを編集」をタップし、「プロアカウントに切り替える」を選択します。
採用活動のためのInstagram投稿
アカウント開設後、いよいよ運用することになります。当然、採用を意識した投稿の継続が成果につながるわけですが、あらかじめプロフィールを充実させておくことも大切です。
以下、具体的に有効な手法をお伝えします。運用のヒントになれば幸いです。
プロフィール入力の基本
Nameの入力では、〇〇株式会社採用担当など企業名と採用活動を行っている旨を明示しましょう。Webサイトへのリンクは採用に特化したホームページもしくはコーポレートサイト内の採用ページへ直接アクセスできる設定にしてください。
投稿タイプは3パターン
投稿は画面下部にある「+」アイコンから行えます。
タップ後、デバイス内に格納されている画像や動画を選択できる「ギャラリー」、カメラが起動し撮影した画像をその場で投稿できる「写真」、同じく撮影したばかりの動画を投稿できる「動画」の3パターンで投稿可能です。
概要とハッシュタグはしっかり考える!
投稿画像、動画が決まれば、右上の「次へ」をタップし、新規投稿画面へ移ります。
その際、「キャプションを入力」「タグ付けする」といった項目欄に出くわすはずです。前者は、詳細な概要、後者はハッシュタグ(#)を指します。それぞれしっかり考慮することが大切です。
特に後者は工夫次第で、接点機会が大きく変わります。採用活動においては、職種や新卒・中途を含めた採用形態を示すワードが有効です。いずれにせよ、ターゲットをしっかり意識したうえで投稿するようにしましょう。
Instagramで採用活動を行っている企業事例
冒頭でお伝えした通り、実際にInstagramで採用活動を行っている企業は珍しくなく、年々注目度が高まっているといえるでしょう。
本章では、具体的な事例をご紹介。リンク先もあわせてご確認してみてください。
綜合キャリアグループ
コーポレートサイトのカテゴリのごとく、画像を使い分けているのが特徴。それぞれ、わかりやすく説明されています。各画像を3分割し、大きく見せている手法は参考にしたいポイントです。
福岡日産
生き生きと働く社員や内定者、社内の雰囲気を中心にアップしているのが特徴です。車好きな就活生が興味を抱きそうな珍しい車種の紹介は訴求力抜群!
どのような環境で整備をされているかをきちんと伝えている点は、求職者にとって非常に有意義なものだと考えます。ターゲートを意識した、まさにお手本となるアカウントです。
北海道警察本部 採用センター
女性警察官を中心に、職場環境やイベント風景が投稿されています。インターンシップ用に使われるポスター画像だけでなく、入社前には分からない訓練の様子なども伝えてくれるのがうれしいポイント。パトカーをバックにした北海道の風景など、随所に意匠を凝らしているのが分かります。
Instagramを使って採用活動を行うメリット
採用活動でのInstagram活用を検討するにあたって、良い点、悪い点は確実に知っておくべきでしょう。運用のなかで困惑・混乱することのないよう、そしていざ導入する決め手になり得るかどうかの判断材料として、きちんと理解するようにしてください。
本章では、まずメリットをご紹介します。
ユーザー数が多い
2019年の発表で、日本国内のユーザー数が約3,300万人にのぼることが発表されました。これはSNSのなかで、LINE、Twitterに次いで3番目に多い数字です。傾向としては、若年層が多く、20歳前後がメインユーザーであるため、なるべく若い人材を獲得したい企業や組織にとって、採用活動にはうってつけのメディアだといえます。
アクセス解析が簡単にできる
Facebookと同期しているビジネス用アカウントでは、「インサイト」という解析ツールを利用することができます。プロフィールを開いた回数や各投稿画像のアクセス数、どのような経緯からアクセスにまで至ったかを解析してくれる便利なツールです。ターゲットユーザーがどれだけ流入してきたかなどの検証が容易であるため、改善策も打ち立てやすく、結果、より良い人材の獲得にも期待が持てます。
定期的に訴求内容を調整できる
概要やハッシュタグの変更は、いつでも可能です。打ち出し方を調整することで、状況を打開できるケースは少なくありません。実験的な運用含めて試行錯誤を重ねられる点においても安心できる要素だと考えます。
Instagramを使って採用活動を行うデメリット
続いて本章ではデメリットをお伝えします。
採用活動におけるInstagramの活用は、有効な側面ばかりではありません。弱点の把握は非常に大事です。むしろ、それによって適切な使い方ができるともいえるでしょう。
それでは、いくつかご紹介します。
継続的な更新に手間が掛かる
継続的な更新はそう容易なものではありません。手間が掛かることもあってか、運用が疎かなアカウントはいくつも見受けられます。
更新は大変です。ただ、そういってばかりもいられません。
ホームページやブログと同じく、更新が止まったアカウントは次第にアクセス数が減っていくものです。たとえ、毎日でなくとも更新頻度を決め、実行しなければ、大事な採用時期に、他社に後れを取るかもしれません。
伝わり方に齟齬が生じやすい
画像だけで意図した内容が伝わるというのは、ある意味傲慢です。たとえば、発信する側は、生き生きとした社員の姿を映したつもりでも、受け手には忙しくて大変な職場だなと捉えられる可能性があります。
薄暗いものやフリー素材も印象は良くないでしょう。
中途半端な画像は逆効果になりかねません。
キャプションなどをうまく活用しながら、誤解を招かないようにしましょう。
炎上の可能性
軽はずみな言動を収めた動画や、煽りに近い説明文などから炎上に発展してしまうケースは少なくありません。悪い評判で注目を集めてしまうと、当然、求職者から敬遠されるようになります。
採用活動でのInstagramの取り扱いは理解と注意が必要!
結局はどのSNS採用でもいえることですが、媒体の特徴を踏まえ、良い点・悪い点に目配りしながら扱わなければ、うまく成果へとつながらないでしょう。
より多くのユーザーに見てもらおうと四方八方に情報を発信しても、浅薄な内容や強引な手口だと解釈されれば、たちまちそっぽを向かれてしまいます。
Instagramの活用自体には賛成です。推奨に値するほど有用性のある施策だと考えます。ただし、前提条件として求職者の行動に配慮することが必須です。
Instagramでの採用活動で、優秀な人材とのマッチングを期待するなら、最低限、拙稿で述べてきたことは念頭に置くようにしてください。
そして、慎重かつ適切な運用で以て、成功を手繰り寄せることができるはずです。