SNSを採用の突破口に!ソーシャルリクルーティングとは

SNS 採用

もはや日常生活に欠かすことのできないものとなったSNS。いつでも手軽に利用できるので、コミュニケーションツールとしてだけでなく、さまざまな情報収集を目的に使っている方も多いと思います。就職、転職活動で利用される方もいますね。

情報を求めている方がいるということはつまり、情報を発信する側にとってもSNSは有効な手段といえるため、近年では求人を行う上でSNSを活用する企業も増えてまいりました。それを「ソーシャルリクルーティング」といいます。

そのメリットやデメリット、注意すべき点、そして主流SNSそれぞれの特徴と活用できるポイントなどを解説していきます。

ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングの違い

ダイレクトリクルーティング
「ソーシャルリクルーティング」とは、簡単にいってしまえば、SNSを利用した採用方法のことです。

日本では実名SNSの普及が他国に比べて遅れたということもあり、2012年ごろから徐々に知られるようになった方法ですが、世界的にはその2年前の時点で既に7割以上の企業がソーシャルリクルーティングを採用していました。アメリカにおいては2013年時点でなんと94%もの企業が活用しています。

もちろん世界的に活用されていても、日本の企業や求職者とマッチングするとは限りません。しかし総務省の発表によると、平成29年度時点で、就職活動が活発な日本の20代のSNS利用率はほぼ100%。つまり求人を予定している企業であれば、少なくともソーシャルリクルーティングがどういうものなのかを知り、検討してみる価値はあるのではないでしょうか。

なお、よく「ダイレクトリクルーティング」と間違えられることがあるのですが、概念が異なるので注意が必要です。

ダイレクトリクルーティングとは、企業が応募者を待つスタイルではなく、積極的に候補者にコンタクトをとって採用につなげる方法のこと。その際にSNSを使う場合には、ソーシャルリクルーティングとダイレクトリクルーティングどちらにも当てはまるといえます。

ソーシャルリクルーティングのメリット

採用活動
今まで企業の広報活動やブランディング、マーケティングなどにSNSを活用していなかった企業においては、どうしても求人を行う際にSNSを利用するということに抵抗を感じるケースもあるかもしれません。

まずはメリットを確認してみましょう。

潜在層にもアプローチができる

SNSの魅力は、なんといっても情報が広まりやすいこと。多くのフォロワーを獲得するのも大事ですが、上手くいけば投稿がシェアされて拡散されるので、フォロワー以外にも情報を届けることができます。

そのため、もともと自社を認知している、あるいは興味を持っている方々だけでなく、今まで知らなかった潜在層にも求人情報が広まる可能性があり、ホームページなどで求人情報を提示するだけの企業よりも、候補者の幅を広げることができます。

ミスマッチが防げる

企業と求職者の接点といえば、旧来であれば選考を進める上での面接くらいだったのではないでしょうか。直接会って話すとはいえ、面接というと緊張して思ったように自身の魅力や長所を出せない求職者もいるでしょうし、あるいは少なからずいい面を見せようとするので普段の姿が見えず企業とカルチャーフィットするのかわからない求職者もいるでしょう。

しかしSNSで募集した場合、事前に求職者の人となりなどを見ることができるので、面接前にスクリーニングすることができます。また、SNSに会社の環境や雰囲気がわかるような投稿をすることで、求職者側も自分の希望している環境とのミスマッチを防ぐことがきるというメリットもあります。

タレントプールできる

タレントプールとは、今後も関わっていきたい人材とのつながりを維持し続けていくこと。

企業と求職者双方が「入社してほしい」「入社したい」と考えていても、採用枠が予定よりも減ってしまった、今勤めている会社から退職できなくなってしまった、などさまざまな理由から採用ができなくなることもあるでしょう。

その際に、今までであれば縁がなかったと諦めることがほとんどだったと思いますが、SNSでつながっておけば、いつでもコンタクトをとることができるので、互いのタイミングが合った際に改めて応募を促すことで、機会損失を減らすことができます。

コストがかからない

通常、求人広告にはコストがかかるものですが、SNSは基本的に開設から運用まで無料で利用できるので、そこで採用につながることができれば予算を抑えることができ、他事業にその分のリソースを割くことができます。

もちろんSNS広告を掲載したり、計測ツールを利用したりすれば、別途料金がかかるケースもありますが、SNSは上手く利用すれば求人だけでなく広報の役目を担うこともできるため、長い目で見ればやはりコスパがいいといえるでしょう。

ブランディングがしやすい

前項でも少し触れましたが、SNSは広報の役目も担うことができます。多種多様なユーザーの日常に寄り添うツールなので、企業や事業のコンセプト、モットーなどをしっかり定義づけ、それを認知させるにはうってつけの場といえるでしょう。もちろんSNSアカウントのみ独断で企業イメージと別のブランディングを行うことも可能です。

特に写真や画像、テキストを同時に端的に見せることができるので、それまでその企業や事業について知らなかったユーザーも日常的に投稿を見ることで、自然と理解度を高めていくことができます。

SHARPのTwitterアカウントに代表されるような、いわゆる「ゆるい企業SNS」という、一般ユーザーが気軽に絡める人気アカウントになれば、もはや企業のイメージからひとり歩きし、大きな影響力を持つこともありえます。ただし2009年ごろ爆発的なTwitterブームとともに、多くの企業がそれを目指して新規開設した結果、上手く運用することができず淘汰されてしまった経緯もあるので、今から新たにこのポジションを狙うには、徹底した事前準備と見合った担当者の確保が必要となり、なかなか成功させるのは難しいでしょう。

まず考えるべきは、自社の出したい面はどこなのか、という点であり、そしてそのブランディングを図るにはどういったユーザーにどのように感じてもらえたらいいのか、と考えていくと、目標とするべきところが見えてきそうです。

ソーシャルリクルーティングのデメリット

SNS疲れ
当然ですが、メリットがあるものにはその反面、デメリットも存在します。いざ始めてみたはいいものの、上手く活用できなくて頓挫してしまう、ということを避けるためにも事前にそのリスクを確認しておきましょう。

長期的な運用が必要

SNSを開設するのはとても容易ですが、最初から一定数のインプレッションやエンゲージメントが確保されるわけではないので、ある程度フォロワーが増えるまで長期的な運用が要されます。

また、フォロワーが増加しても上手く候補者と出会えるとは限らず、さらにはSNSの特徴としてどんなに有益であっても過去の情報は人目につきにくくなるという面があるため、コンスタントな更新も求められます。

スマホ1台あれば開設も更新もできるので、作業自体は難しいものではありませんが、ブランディングに沿った投稿を毎回行わなくてはいけないこと、候補者の投稿内容やメッセージから真意をきちんと読み取り、会社の求めている人材を見つけ出すスキルが必要となるので、SNS担当者の采配はとても重要です。

炎上リスクがある

「炎上」と聞くと「大きい会社ではないからそこまでの影響力がない」「毎回きちんと投稿前に確認しているから問題ない」と考える方も少なくないかもしれませんが、このSNS時代ではどういった発言や写真が炎上に発展するかわかりません。

最初の投稿はきちんと全方向のユーザーに向けて考えられたものであっても、ひとつのコメントから派生してコミュニケーションを続けるうちに思わぬところから炎上してしまうこともありえます。

また、たとえば担当者が複数いる場合などは、企業名や開設日など簡単なパスワードを設定していることもあるかと思いますが、乗っ取られて不適切な投稿をされてしまう可能性も拭いきれません。

どちらにせよ、ある程度SNSに関する知識をもった人材を担当者にアサインし、炎上した場合を想定して事前に対策をいくつか社内で共通認識として持っておく必要がありそうです。

ソーシャルリクルーティングに必要なフォロワー数、閲覧数の目標設定

目標設定
これからソーシャルリクルーティングを始めるのであれば、事前に目標設定をしたいですよね。具体的にはSNSのフォロワー数と求人ページの閲覧数といったところでしょうか。

閲覧数に関しては、現在、求人ページの閲覧1,000人でようやく1人が内定にいたるといわれています。1,000人のうち10人がエントリーし、その中から面接に進むのが5人、そして1人が内定、という内訳です。あくまでも一般論ですが、この数値をもとにフォロワー数の目標値を計算してみましょう。

まず、主要SNSのアクティブユーザー率(月間)を挙げます。

    • Twitter:70.2%(2015年6月時点)
    • Instagram:84.7%(2015年6月時点)
    • Facebook:56.1%(2015年6月時点)
    • LINE:86%(2019年12月期 第4四半期決算発表より)

(出典:https://gaiax-socialmedialab.jp/post-30833/

各SNSのMAUの中から1%が求人ページを閲覧すると仮定すると、1人採用するために下記の式が成り立ちます。(例:Twitter)

1人内定=X人(フォロワー数)×70.2%(アクティブユーザー率)×1%(求人ページ閲覧率)×0.1%(採用倍率)

つまりTwitterの場合、X=約1.4万人のフォロワーが必要になります。

基盤がなく、これからアカウントを新規開設する企業の場合、1万人以上のフォロワーをすぐに獲得するのは難しいと感じるかもしれません。ただしこの計算式は求人ページの閲覧率を1%とした場合なので、投稿内容や頻度によって異なります。

普段から注目を集める投稿をしている場合や、求人情報ページを掲載した投稿がフォロワー外にシェアされる場合には、もっと少ないフォロワー数でも効果をなすので、これはひとつの指標として参考にした上で、世間の自社に対する認識をリサーチして決定するのがよいでしょう。

求める人材とSNSの選び方

SNS
さて、今までSNSを利用してこなかった企業の場合、どのSNSをソーシャルリクルーティングに活用するか悩んでしまうかもしれません。ここで簡単に主要SNSそれぞれの特性とユーザー層について触れたいと思います。

Twitterの特性・ユーザー層

まずTwitterはやはり手軽さが一番感じられるSNSではないでしょうか。140字という字数制限があるのが最大の個性で、そのため「ふと思いついたときに気軽につぶやく」という付き合い方をしているユーザーも多く見受けられます。

ユーザー層は10代~20代が特に多いですが、現在の主要SNSの中では日本において最初に流行ったSNSであるため、ほかよりも幅広いのが特徴です。ワンタップで「いいね」をつけたりRTしたり、ほかのユーザーへ情報をシェアする機能が充実しており、拡散されやすい傾向にあります。

Instagramの特性・ユーザー層

近年のSNSを活発化させた立役者ともいうべきInstagramは、やはり写真を使った投稿が基本なので、ビジュアル面によるブランディングがしやすい反面、ある程度撮影や画像編集の知識が要されるのが特徴です。

ユーザー層は20~40代、そして女性が多いといわれていましたが最近では男性のユーザーも増えてきています。ユーザーの半数以上が24時間で消えるストーリーズ機能を利用しているのも特徴。拡散はされにくいですが、ブランディングには適しています。

Facebookの特性・ユーザー層

実名登録が原則というのがなによりも特徴的なFacebook。日本ではビジネスの場で利用されることが多く、テキストも写真もリンクも他SNSよりも比較的容量などの制限が厳しくないので、企業、事業紹介やセミナーの告知などもしやすい環境でしょう。

ユーザー層は40代中心で弱年齢層が少ないという、他SNSよりも幅が狭めであるため、ターゲット層がマッチしていれば一番反応を得やすいかもしれません。

3つのSNS以外にもLINEやTikTok、LinkedIn(リンクトイン)などありますが、クローズド訴求が一般的だったり(LINE)、ブランディングはしやすくても求人は難しかったり(TikTok)、まだあまり日本では一般的というまで普及していなかったり(LinkedIn)するため、まずはTwitter、Instgaram、Facebookのいずれかで試してみて、それから次の一手として選んでもよさそうです。

新卒・中途・アルバイト採用

募集している人材によって投稿内容も変えるべきだと考えられます。

まず、新卒採用を予定している場合には、ほとんどの求職者が初めての会社員生活になるため、働くということに対してモチベーションを持ってもらうことを最優先にしたいところです。

若手社員も認められる環境だということを見せるために裁量権のある若手社員にインタビューをしたり、成功した過去のプロジェクトを見せたりするとよいでしょう。

中途採用を予定している場合は、なんらかの理由で前職を離職、あるいは離職を検討しているわけなので、積極的にDM機能などを使ってヘッドハンティングすることも検討できます。また、産休、育休や住宅補助、食事手当など福利厚生が充実しているところをアピールしましょう。

アルバイト採用を予定している場合は、やはり実際の職場の雰囲気を見せることです。どういった人が上司になって、どういった人と一緒に働くことになるのか、そしてどういった環境で過ごすのか、そういったところを重点的に見せて、「入社したらイメージと違った」というミスマッチを防ぎましょう。

ソーシャルリクルーティングが求められている理由

ソーシャルリクルーティング
日本総SNSユーザーともいわれている今の時代、企業も活用しない手はありません。従来の採用活動といえば、求人情報を提示して応募者を待つという、いわば一方通行で進行するしかなかったわけですが、SNSを運用することで求職者と双方向でコミュニケーションをとることが可能になります。

求人を行わないときにはブランディングにもマーケティングにも利用できるので、ソーシャルリクルーティングをしないにしても、まずは開設してみてもいいかもしれません。ただしその際は、コンセプトなどをきちんと定めて、それを具現化できるスタッフを担当者に采配しましょう。

もし見つからない場合には、まずその適任者を探すためにSNSで募集をかけてもいいかもしれませんね。

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