求人に応募が来ない!その理由と対策は?

悩む人事担当者採用

優秀な人材を迎え入れる際に、企業が公開する求人情報はとても重要な役割を果たします。しかし売り手市場の近年、求人を出しても応募が来ず、思うように採用活動が進まない企業は少なくありません。「過不足なく情報を掲載しているのに…」「どこを改善すればよいのか分からない」と頭を抱えている方も多いのではないでしょうか?

求人に応募が来ない理由はさまざまです。今回は、その理由と対策を詳しくご紹介します。費用をかけずにできることも多く存在するので、ぜひ採用活動につまずいている企業は、試してみてくださいね。

求人の際に企業が行うことは?

企業が求人を開始するとき、一般的にはどのような活動をしているのでしょうか?

活動①:求人票の作成

最もオーソドックスな方法として、求人票の掲載があげられるでしょう。自社ホームページやハローワーク、就職・転職サイトなど、多くの掲載先があり、就職・転職サイトにいたっては、民間企業が運営する大手から特定の職種に特化したものまで、多くの種類が存在します。企業は自社が欲しいと思う人材の層にあわせて、どのサイトに掲載するか選べるということです。

活動②:合同説明会・転職フェアへの出展

求職者と企業をダイレクトにつなぐものに「合同説明会」や「転職フェア」があります。複数の企業が合同で行う説明会のことで、それぞれ4~6畳ほどの自社ブースをかまえ、求職者が自由に話を聞きに来たり、相談しに来たりできるイベントです。企業によってはこういった就活イベントを1次選考とし、採用活動をより効率的に進めているところもあります。応募前から求職者とダイレクトにお話しできるという面で、とてもメリットが感じられる採用活動といえるでしょう。

活動③:就職・転職エージェントへ相談

「採用費はあるが時間がない」「自分たちで進められることに限界を感じている」という企業は、採用のプロである就職・転職エージェントへ相談することも多いでしょう。採用担当者に代わってニーズにぴったりの人材を探してくれ、採用までの工数を減らすことができるからです。しかし、採用に成功した場合、手数料が相場では理論年収の約30%かかることから、採用費に比較的余裕のある企業が利用しているのが実状といえます。

求職者が企業を選ぶポイントは?

就職と転職

採用活動をするにあたって、求職者の目線で自社を見ることができなければその魅力を最大限にアピールすることは難しいでしょう。求職者が実際に就職・転職活動をする際、重要視している部分は何なのでしょうか?

OfferBoxによる「就活生の『企業の魅力と働き方』に関する意識調査アンケート【2021年卒版】」とエン・ジャパンによる「20代の転職・仕事観 意識調査2019」を参考に、求職者が企業を選ぶポイントをご紹介します。

ポイント①:仕事内容

20代の転職希望者が企業を選ぶ際に最も重視するのは「仕事内容」だといわれています。転職の際に限らず、新卒者であれば自分が挑戦してみたい業務や学生時代に培ったスキルが活きるような仕事を選ぶなど、就職の際にも重視するポイントといえるでしょう。転職者の場合は、よりキャリアアップができそうな業務内容かどうかを見極めるかもしれません。今の会社で任されていることのさらに先の仕事をしてみたい、という前向きな理由です。そのため、就職・転職先には今までのスキルを活かせる+新しいものに挑戦できるような業務内容が求められています。

ポイント②:労働時間・給与

労働政策研究・研修機構(JILPT)の「第2回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査」によれば、最初に勤務した企業からの離職を決めた理由の第1位は労働時間、第2位は賃金となっています。つまり、労働時間や給与を重視する労働者が多く存在するということです。2021年卒の就活生の企業選びにおいても、「給与、待遇が良い」ことは上位にあがっています。

一方で、ほとんどの人が労働時間や給与を第一条件に就職・転職活動をしているという訳ではありません。仕事へのやりがいや職場環境、ワークライフバランスなど総合的な判断によって転職先を探しています。そのため「労働時間が長い」「給与があまり高くない」という企業は、その他の部分で魅力をアピールする必要があるでしょう。

ポイント③:職場の雰囲気・企業風土

2021年卒の就活生を対象とした調査では、最も魅力を感じる企業は「社内の雰囲気が良い」ところだという結果が出ています。転職者においても、社風を重視する求職者の割合は70%以上と多く、企業の雰囲気に自分がマッチするかどうかは大切なポイントとなっています。一方で、職場の雰囲気や風土は実際に入社してみないと分からないという部分もあります。少しでもミスマッチを減らすためにも企業の雰囲気が伝わるような求人票や会社説明会を心掛け、インターンなどを積極的に受け入れるようにしましょう

ポイント④:勤務地

20代が転職先を選ぶ際に重視することとして「仕事内容」の次に「勤務地」があり、「やや重視する」と回答した人を除くと、最も重視している人が多いという結果が出ているため、家の近くや通勤アクセスのよいところで働きたいという求職者が多いことがわかります。学情の「Re就活」登録会員を対象に行われた「20代の仕事観・転職意識に関するアンケート調査」によれば、希望の通勤時間は「~30分」までと約57%が回答しており、過半数以上が自宅から30分圏内の職場を探しているようです。

ポイント⑤:企業の将来性・安定性

企業の将来性や安定性も、企業選びにおいて重要なポイントです。近年、実力がありどんどん事業を成長させているベンチャー企業が多く存在します。このような企業に将来性を見出し、裁量の大きさなどに惹かれ、転職を決める若年層が増えているのです。もちろん安定した経営基盤のある企業で安心して働きたい、という転職者も多くいます。どちらにせよ、企業の将来性や安定性を加味せず転職先を決める人はほとんどいないでしょう。

また、労働政策研究・研修機構(JILPT)の「第2回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査」では、初めて勤務した企業を離職する理由が調査されていますが、上位には「キャリアアップするため」「賃金の条件がよくなかった」「労働条件等がよくなかった」などがあげられているので、離職理由と転職先を選ぶポイントはリンクしているといえるでしょう。

求人に応募が来ない理由と対策

採用できない

ここでは、企業の求人に応募が来ない理由をいくつかご紹介します。求人票などに過不足なく情報を掲載していると思っていても、思わぬ落とし穴があるかもしれません。自社の採用活動に足りない部分はないか、ぜひ検討してみてください。

理由①:業務内容が分かりづらい

よくある理由のひとつは、業務内容がよく分からないというもの。毎日自社で行っている業務だと、専門用語なども万人が知っているだろうという思い込みの上で求人票を作成してしまいがちです。ある程度の経歴を積んだミドル層の採用を考えているのであれば、場合によってはよいかもしれませんが、未経験でも応募可能としているのに業務内容が専門用語だらけだと、求職者はしり込みしてしまいます。ましてや新卒採用を考えている企業は、学生もイメージのしやすい言葉で表現することが必須です。先ほど挙げた通り、「仕事内容」は企業選びの上で重要視されるものなので、相手に伝わるように丁寧に明記しましょう。

また、「会社の経理業務をすべてお任せ」など、抽象的な内容しか記載しないこともあるかもしれません。経理とひとくちにいっても「決算」「仕訳」「貸借対照表の作成」など多くの業務があげられます。できるだけ業務内容は「詳しく・分かりやすく」を心がけましょう。

対策

対策としては、誰にでも分かる言葉で詳しい業務内容を記載することです。どうしても書き方が分からないという場合は、募集している職種の1日のタイムスケジュールを記載しましょう。時期によって業務内容が異なる場合は、数パターンのタイムスケジュールを記載するのもおすすめ。求職者も1日の流れが分かるので、仕事のイメージがつかみやすいはずです。「社用車の使用」「来客対応」といった付随業務がある際も、必ず明記しましょう。細かい部分まで記載することで、求職者と企業のミスマッチを防ぐことができます。

理由②:賃金が見合っていない

募集部署ではなく、人事など採用担当者が求人を作る際に起きやすいパターンです。 例えば、「Photoshop、Illustratorの実務経験3年以上」「UI/UXデザインの実務経験」「2Dデザイナーとして開発経験のある方」を必須条件とする場合、賃金はいくらに設定しますか?仮に時給1,000円としている場合、これらの条件を満たしている求職者は応募しないでしょう。まず、上記スキルを積むのにどのくらいの時間がかかり、どれほどの先行投資が必要であったかを知ることが大事です。

対策

募集している部署と連携を取りながら、必須スキルを習得するにはどのくらいの賃金が妥当か確認したり、同業他社の求人をリサーチしたりして条件に見合う給与を設定しましょう。給与を上げられない場合は、自社で育成することを前提に、求めるスキルのランクを下げるなどの対応が必要です。スキルも賃金も妥協できず、応募も来ない場合は、求職者が喜びそうな福利厚生を記載するのもおすすめです。賃金が多少低くても、社内食堂があったり資格取得費用を全額負担したりするなどといった制度があれば魅力を感じる求職者もいるでしょう。

理由③:求めるスキル・条件が多い

優秀な人材を確保したいあまり、求めるスキル・条件のハードルを高く設定してしまうことがあります。もちろん、中途採用の場合は、ある程度のスキルを求めてしまうものでしょう。しかし、募集の段階から条件を絞りすぎてしまうと候補者は一気に減ってしまいます。

対策

ある程度のスキルがあれば自社で教育できる、という体制を作り、求めるスキル・条件をワンランク下げてみるのもいいかもしれません。まず、どのような人材が欲しいのかを改めて社内で共有しましょう。最初は人柄重視としていたのに、選考を進めていくうちにスキル重視になっていたというパターンも少なくありません。企業として絶対に妥協できない部分と譲歩できる部分を明確にしてみてください。求めるスキル・条件のハードルが下がれば、求職者の応募ハードルも下がります。その結果、未経験でも学ぶ意欲のある優秀な人材の採用につながるかもしれませんよ。

理由④:求人票が転職者に見られていない

近年、求職者の多くはインターネットを通して転職活動を行っています。そのため、紙面の求人媒体や新聞の折り込みなどのみに求人を出している場合、ターゲットとしている求職者層に求人票が届いていない可能性があります。

また、自社ホームページにしか求人票を掲載していない場合、膨大な量のネット情報に埋もれてしまっていることもあるでしょう。SEO対策をしたり求人検索エンジンを活用したりしながら、自社媒体の求人票をアピールすることが大切です。

対策

求める人材に見合った媒体への掲載になっているかどうかを確認しましょう。例えば、「第2新卒を募集しているのにハローワークの利用のみ」「未経験歓迎の職種なのにハイレイヤー層がよく見ている求人媒体に掲載」など、ターゲットとマッチしていない求人方法をとっている場合があります。最近では「女性向け」「IT業界向け」「医療業界向け」「ハイレイヤー層向け」など、特定のニーズに合った就職・転職サイトが多く存在します。あらゆる求人サイトの特色や利用層をしっかりとリサーチしてから、どこに掲載するかを決めましょう

理由⑤:募集時期が悪い

応募が来ないのは募集時期が悪いからという場合もあります。労働市場では、採用活動を活発に行うのは4月入社に向けた3月頃と、10月入社に向けた9月頃といわれています。日本では3月決算の企業が多いからでしょう。そのため、採用活動が落ち着いた時期には求職者が労働市場にいないことも多く、どんなに魅力あふれる求人票を公開しても応募が来ない、ということも起こりえるのです。

対策

急募ではないという場合は、労働市場が動く時期に合わせて求人を出し、ゆっくりと選考を進めていってもいいかもしれません。予算がある場合はエージェントに任せるのもよいでしょう。一方で、今すぐ人が欲しいという場合は、より自社の求人票をアピールする必要があるので、求人検索エンジンの有料広告枠や自社サイトの運用などを通してアピールしましょう。SNSの活用や就職・転職サイトのスカウト機能の利用も効果的です。

理由⑥:勤務地へのアクセスが良くない

駅から遠い場所に勤務地がある工場などを持つ企業などは、勤務地へのアクセスが理由で応募が来ないということがあります。「駅からバスで30分」「山奥に会社がある」という場合、先ほど挙げたとおり勤務地を重要視する応募者が多いため、応募者を確保することが難しくなるかもしれません。

対策

まず、マイカー通勤ができる企業は、必ずその旨を掲載しましょう。電車やバスを利用すると時間がかかるが、車で行くと30分ほどで到着できるという場合もあるのではないでしょうか。また、最近ではワーケーションも注目されているので、都心から遠くてもその地域に魅力を感じることができれば、むしろ強みに変えることもできるはずです。なお、求職者は勤務地を絞って求人を検索することが多いと予想できるので、近隣に有名なエリアがあればその地名を求人票に盛り込むと、より多くの方が求人票を見てくれるようになるでしょう。

まとめ

YES/NO

求人に応募が来ない理由には、以下のようなものがあげられます。

  • 業務内容が分かりづらい
  • 賃金が見合っていない
  • 求めるスキル・条件が多い・高い
  • 求人票が求職者に見られていない
  • 募集する時期が悪い
  • 勤務地へのアクセスが良くない

ひとつでも当てはまる場合は、すぐに対策を講じて、より多くの応募者を確保できるように準備しましょう。売り手市場になっている近年において、求めるターゲットに合った採用活動は必要不可欠です。ぜひ、自社にぴったりの人材確保を目指してくださいね。

この記事を書いた人
よしたかあしょう

新卒で人材営業を経験のちに、文章の楽しさにめざめライターへ転身。音楽系メディアや地域情報誌(フリーペーパー)での執筆を経たのち、サイト制作でCMSライティングを学ぶ。現在は、人事・経営関連の記事を中心に執筆中。

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