優秀な人材を選ぶための面接とはいえ、してはいけない質問があります。面接では求職者を見ると見極めると共に、企業も選ばれているのです。
近年では、面接官がタブーな質問をした為にSNS等で拡散され、企業がダメージを与えられることも。この記事ではタブーな質問とは、タブーに触れずにどのように質問をすればいいのかを紹介します。
面接官のタブーな質問1、出生地や思想などの「法的タブー」
厚生労働省によると、採用選考の基本的な考え方として、「応募者の基本的人権を尊重する」「応募者の適正・能力のみを基準として行う」ことを挙げています。つまり、これに抵触することは「法的タブー」に該当します。
更に厚生労働省が公表している「採用選考時に配慮すべき事項」は「本人に責任のない事項」と「本来自由であるべき事項」の大きく2つがあります。どのような事項か具体的な質問例と共に紹介します。
1、本人に責任のない事項
本人に責任のない事項とは、本籍や家族に関する個人情報が挙げられます。質問例としては、次のようなものがあります。
- 生まれてからずっと現住所に住んでいるのですか?
- 住んでいる家は一戸建てですか。
- お父さん、お母さんの出身地はどこですか。
- お父さんの職業は何ですか?
2、本来自由であるべき事項
本来自由であるべき事項とは、宗教や支持政党、労働組合に関すること、購読新聞に関すること等思想信条に関わることが挙げられます。
具体的な質問例としては次のようなものがあります。
- 尊敬する人物を教えて下さい
- 応援している政党はありますか。
- 新聞は何を購読していますか。
本人をリラックスさせるため、本音を探るためについ面接官が聞きたくなってしまう質問の中に実は法的タブーにあたるものがあるのです。
面接官のタブーな質問2、結婚、恋愛などの「プライベート」
法的タブー以外でつい面接官がききたくなる質問には結婚や恋愛等のプライベートに関するものがあります。そのような質問はセクシャルハラスメントと捉えられる場合もあります。これらの話題は非常にデリケートで、悪気が無くても相手を傷つけてしまうことも。
具体的な質問例は次のとおりです。
- 交際している相手はいますか
- 今まで交際した人数は何人ですか
- 結婚する予定はありますか。出産しても働き続けますか。
交際相手の有無や恋愛・結婚観などに関する質問は、応募者から“セクハラ”と解釈されてしまう可能性があります。仕事内容や選考にはまったく関係のない事柄なので、不適当な質問です。
また、出産や結婚を機に退職してしまうのではないか、という不安があるかもしれませんが、この質問は「女性差別」として取られる可能性があります。
会社の悪評にも繋がりかねないので避けましょう。尚、女性に対して問題なく対応できているから大丈夫と思っていても、男性にだけ特別な質問をすることもNGです。
例としては次のとおりです。(男性にのみ)残業、休日出勤、転勤はできますか。但し応募条件の確認のために応募者全員に質問をすることは可能です。
人間性を見抜く質問|タブーに触れずに本質を見極める
では、タブーに触れずに求職者の本音を見極めるためにはどうすればよいのでしょうか。
まず、タブーにあたる質問は厚生労働省の指針を元に面接官の間で確認しておきましょう。特に普段採用に関与しない部署の人が面接官を務める場合に注意が必要です。あらかじめ質問項目や評価基準を決めておき、適性と能力に関係のない事項を尋ねないようにしましょう。
次に求職者の本質を見極めるポイントは行動や経験に焦点を当てて質問することです。
応募者の行動を掘り下げて質問することで、本音を見抜けます。また、経験は嘘をつけません。経験を掘り下げて質問すると事実を正確に語るしかできません。
例えば、新卒の学生の場合、「学生時代に一番力を入れたこと」を質問したとします。「演劇のサークル活動です。部長として、100名をまとめることに力をいれました。」と学生が回答したら、次のように続けましょう。
「なぜそのサークル活動を始めたのか」
「大変だったことは何か。その時、どう行動したか」
「なぜその行動をとったのか」
「その結果、どうなったのか」
このようにどんどん掘り下げて質問をすることで、求職者の本質が分かってくるでしょう。
まとめ
面接には「タブーな質問」が存在すると知ってはいたものの、こんな質問までタブーにあたるのか…と思われたのではないでしょうか?「面接時に聞いてはいけないこと」に敏感な求職者が増加している近年、企業側としては十分に配慮して下さい。