アルバイトやパートタイム雇用でもらえる助成金が採用や正社員化に役立つ!

助成金 採用

採用・教育など雇用方法の改善を行う企業に対して支給される助成金。正社員や特定の業種の雇用時しか貰えないものと思われがちですが、実はアルバイトやパートタイマー(以下パート)などの採用の際も条件次第では助成金を貰うことができます。アルバイトとパートを対象にした助成金は、主に労働条件の改善や正社員登用することを条件としたものが多く、向上意欲がある人を救済する仕組みとなっています。では、実際にどんな制度があるのか見ていきましょう。

そもそも助成金とは何か

助成金は企業の経営を助けること、また、雇用の維持や促進を目的として、国や地方公共団体、民間団体から支給されるものです。厚生労働省が中心となって公募しているので、労働者に関するものが多いのが特徴です。他にも経済産業省などが行う研究開発を目的とした助成金も存在します。

助成金は要件さえ満たせば貰うことができ、原則返済は不要です。注意しなければいけないのが期限内に申請するということです。中には複数に分けて支給されるものもあるので、どのタイミングで申請しなければならないのか事前に確認しておくと良いでしょう。また、申請の際に休業実施計画届等の提出が必要となるので、経営コンサルタントや税理士など専門家に相談しながら進めるといいかもしれません。

アルバイトやパート雇用で貰えるケースとは

では、どのような条件であればアルバイトやパート雇用で助成金が貰えるのか見ていきましょう。アルバイトやパートが対象となる主な助成金には「トライアル雇用奨励金(一般トライアルコース)」、「特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)」、「パートタイマー均衡待遇推進助成金」の3つがあります。それぞれどのような制度なのか解説していきます。

トライアル雇用奨励金(一般トライアルコース)

こちらはハローワークや職業紹介事業者などを通して一定期間(原則3ヶ月)雇用した際に受給することができます。企業側としてはその期間を通して適性があるかどうか見極めることができ、ミスマッチが防げます。また、期間後は互いに納得した場合に採用となるため、柔軟に選択することができるでしょう。

対象者となるのは、ハローワーク・紹介事業者などから職業を紹介されていること以外に、以下の5項目の内どれか1つを満たしている場合です。

  1. トライアル雇用開始日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している
  2. トライアル雇用開始日の前日時点で、離職期間が1年を超えている
  3. 妊娠や出産、子育てを理由に離職し、トライアル雇用開始日の前日時点で安定した職業に就いていない期間が1年を超える
  4. トライアル雇用開始時点で、ニートやフリーターなどでかつ45歳未満
  5. トライアル雇用開始時点で、就職の援助を行うに当たって特別な配慮を要する場合(生活保護受給者、日雇労働者、ホームレス、生活困窮者など)

支給額は対象者1人当たり月額最大4万円(3ヶ月間)。ただし、対象者が母子家庭もしくは父子家庭の親である場合、1人5万円になります。

なお、対象者がトライアル雇用期間中に離職、もしくは常用雇用へ移行した場合、支給額は減額もしくは支給されません。また、この場合は支給申請期間が変わるので、速やかに紹介を受けた施設に連絡してください。 助成額は下記の表の通りです。

A=(対象者が1ヶ月間に実際に就労した日数)÷(対象者が1ヶ月間に予定していた就労日数)

割合月額月額※
A≧75%4万円5万円
75%>A≧50%3万円3.75万円
50%>A≧25%2万円2.5万円
25%>A>01万円1.25万円
A=00円0円

※母子家庭もしくは父子家庭の親

トライアル雇用をしても就労日数がなければ支給額はゼロになるので注意してください。トライアル雇用奨励金の受け取りについては、トライアル雇用開始日から2週間以内に、対象者を紹介した施設に実施計画書を提出することが必要になります。実施計画書は労働条件が確認できる資料を添付して提出してください。また、トライアル雇用終了日の翌日から起算して2ヶ月以内に、事業所を管轄するハローワークもしくは労働局に支給申請書の提出も併せて必要となります。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)

高齢者や障がい者などの就職困難者をハローワークや職業紹介事業者を通して、継続して雇用する労働者として採用する場合、受給できます。対象となるのは高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母、障がい者などです。アルバイト・パートの条件で雇用する場合は、1週間の所定労働時間が20時間以上(雇用保険加入対象者)で、継続して雇用することが見込まれていれば対象となります。

助成金を受給できる条件は、ハローワークや職業紹介事業者などの紹介により雇い入れること、そして雇用保険一般被保険者として継続して雇用することが確実であると認められた場合に限ります。継続雇用の条件は、対象者が65歳以上に達するまで雇用し、当該雇用機関が継続して2年以上であることです。 助成額は下記の表の通りです。

【短時間労働者以外】

対象労働者支給額助成対象期間支給対象期ごとの支給額
高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母など60(50)万円1年30万円×2期
(25万円×2期)
身体・知的障がい者120(50)万円2年(1年)30万円×4期
(25万円×2期)
重度障がい者等(重度障がい者、45歳以上の障がい者、精神障がい者)240(100)万円3年(1年6ヶ月)40万円×6期
(33万円※×3期)

※第3期の支給額は34万円

【短時間労働者】

対象労働者支給額助成対象期間支給対象期ごとの支給額
高年齢者(60歳以上65歳未満)、母子家庭の母など40(30)万円1年20万円×2期
(15万円×2期)
障がい者80(30)万円2年(1年)20万円×4期
(15万円×2期)

パートタイマー均衡待遇推進助成金

パートから正社員への転換を支援するもので、試験制度を設けた上で転換者が出た場合に支給されます。支給の対象となる事業主は労働保険の適用事業者であることで、事業規模は問われません。また、正社員が勤務していることも条件になっています。支給は2回に分けて行われ、制度導入後2年以内に対象者が出たら1回目の支給額を受け取れます。2回目は1回目の対象者が6ヶ月継続して雇用されている場合に限り支給されます。 助成額は下記の表の通りです。

支給対象メニュー支給額
1回目2回目
①正社員と共通の待遇制度の導入※25万円25万円
②パートの能力・職務に応じた制度の導入※15万円15万円
③正社員への転換制度の導入15万円15万円
④短時間正社員制度の導入15万円15万円
⑤教育訓練制度の導入15万円15万円
⑥健康診断制度の導入15万円15万円

※どちらかを選択

支給対象メニューは6つあり、①と②はどちらかのみ。①②⑤は対象者の2分の1以上が雇用保険被保険者であること、③は転換後の雇用保険及び社会保険の被保険者であること、④は雇用保険、社会保険に該当する場合、被保険者となることが条件となっています。

キャリアアップ助成金はアルバイトも対象

先ほど説明した「パートタイマー均衡待遇推進助成金」はパートが対象となる助成金ですが、アルバイトも対象となる「キャリアアップ助成金」というのが存在します。

キャリアアップ助成金とは?

非正規雇用労働者の企業内でのキャリアアップを目的としたもので、正社員化や処遇改善を行った場合に適用されます。コースは全部で7つありますが、今回はその中で正社員雇用を目的とした「正社員化コース」について解説していきます。

「正社員化コース」とは?

派遣労働者なども含めた正社員待遇でない者を企業内で正規労働者(正社員)に登用した場合に適用されます。対象となる事業主の条件は以下のとおりです。

  • 雇用保険に加入している事業所であること
  • キャリアアップ管理者を置いていること
  • キャリアアップ計画を作成し、管轄労働局長の認定を受けていること
  • 対象労働者に対する労働条件、勤務状況などを明らかにすること
  • 計画期間内にキャリアアップに取り組むこと

先ほど正社員コースの対象となるのはアルバイト・パートを含めた正社員待遇でない者とお伝えしましたが、正社員とは、勤務地限定正社員や職務限定正社員、短時間正社員も含み、これらに転換した場合も正社員(正規雇用労働者)へ転換したものと認められ、対象者となります。 正社員化コースの支給額は下記の通りです。

  1. 有期→正規:1人当たり57万円<72万円>(42万7,500円<54万円>)
  2. 有期→無期:1人当たり28万5,000円<36万円>(21万3,750円<27万円>)
  3. 無期→正規:1人当たり28万5,000円<36万円>(21万円3,750円<27万円>)

※<>は生産性の向上が認められた場合のみ(条件は別途説明します)、()内は中小企業以外の額

さらに以下の条件を満たすと、助成額が加算されます。

派遣労働者を正規雇用労働者として直接雇用した場合
①③:1人当たり28万5,000円<36万円>(大企業も同額)

母子家庭もしくは父子家庭の親を転換した場合
若者雇用促進法に基づく認定事業主が35歳未満の者を転換などした場合

いずれも①:1人当たり95,000円<12万円>
②③:47,500円<60,000円>(大企業も同額)

勤務地・職務限定正社員制度を新たに規定し、有期雇用労働者などを当該雇用区分に転換もしくは直接雇用した場合(1事業1回のみ)
①③:1事業当たり95,000円<12万円>(71,250円<90,000円>)

生産性の向上とは?

先ほど記述した「生産性の向上」についてですが、生産性要件というのが設けられており、助成金の申請を行う直近の会計年度における「生産性」が3年度前と比べて「6パーセント以上伸びている」もしくは「1パーセント以上(6パーセント未満)伸びている」場合に助成額が加算されます。ただし、金融機関から一定の事業性評価を受けていることが条件となります。

助成金を上手く活用できれば会社を成長させられる

アルバイト・パートの採用、あるいは従業員の社内でのキャリアアップなど、あらゆる面で助成金は企業を助けてくれます。特にキャリアアップ助成金は労働者の意欲や能力を向上させ、優秀な人材確保にも繋がります。助成金は労働者だけでなく、企業が大きく成長することを手助けしてくれるものと言えますね。もちろん助成金の受給に当たっては、嘘偽りなく申請しなければなりません。助成金を正しく使い、良い会社を築き上げていきましょう。

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