新人教育のやり方、間違っていませんか?
新人教育は、年次や年齢に限らず、先輩であれば誰でも任される可能性があります。一方で、決して<誰でもできる>仕事ではありません。その難しさからストレスを抱えてしまう人も少なくないのです。
「新人がなかなか仕事を覚えてくれない」「自分の仕事が終わらない」「新人の尻拭いばかりしている」といった思いを抱えている方もいるでしょう。
新人教育は、コツをつかむことで効率アップと効果の最大化が期待できます。順調に進めば自分にも余裕ができ、新人をより丁寧に指導できるようになるかもしれません。
今回は、新人教育で失敗しない秘訣を解説していきます。新人教育がうまくいかずストレスを抱えている方、この記事を読んで、つらい日々に別れを告げられるかもしれません。
新人教育のコツとは
たいていの場合、新人教育にはマニュアルが設けられていません。担当するために試験の合格が必要なわけでもありません。
つまり、新人教育を担う先輩社員においても、新人教育について何のノウハウも持ち合わせていないことがほとんどなのです。
新人教育を成功させるにはコツをつかむことです。失敗例にもとづいた成功のコツを以下で解説していきます。
教育担当ひとりで抱え込まない
新人教育で行き詰まったら、必ず周りの人に相談しましょう。
新人教育は、会社全体で取り組まなければならないタスクです。周囲を頼るのは決して恥ずかしいことではありません。むしろ、すべてを教育係1人でやりくりしようとすれば、必ずどこかに歪みが生まれます。
同僚にサポートしてもらうのも良し、上司の力を借りて仕事の調整をしてもらうのも良し、自分がいっぱいいっぱいになってしまう前に、困った時は周りにヘルプを求めることも大切です。
もちろん、通常業務に関してもヘルプサインを出してください。新人教育もれっきとした仕事なのですから、そちらに集中するためのサポートを求めることは、何らおかしいことではありません。
会社としても、教育担当が気軽に助けを求められる環境をつくりましょう。負荷をかけすぎて教育担当が体調を崩してしまうことは、会社にとってもデメリットでしかありません。
新人にタスクの目的やゴールを共有する
新人にタスクの目的やゴールを共有することは、先を見据えたうえで大切です。
タスクを課す際、タスクの内容だけ共有して目的やゴールを共有しないことは、モチベーションの低下につながってしまいます。会社に疑念を抱き、そのタスク単体ではなく、今後の業務にまで響いてくる可能性も否定できません。なぜそのタスクをやるのか、最終的にどうなることを目指すのかをしっかりと共有するようにしましょう。
また、タスクの振り方が雑にならないようにも注意が必要です。新人だからといってくわしい説明もなしにタスクを振ってしまえば、右も左もわからない新人は戸惑い、教育担当や会社に不信感を募らせる原因にもなりかねません。
新人が理解しやすい言葉をつかう
業界がはじめての新人にとって、その業界でしかつかわれない業界用語は理解の障害になります。ただでさえ、新人は新しい業務を覚えて会社に慣れることに必死なので、余計な障害を設けてしまわないよう、説明する際は新人が理解しやすい言葉をつかうことを意識しましょう。
新人が携わる業務のなかで業界用語が使われた場合も気にかけておき、理解が追いついていないようであれば、後ほど補足説明をしてあげるとなお良いでしょう。
新人がのびのび働ける環境をつくる
新人は基本的に萎縮してしまいがちです。
先輩とのコミュニケーションがない、ミーティングで発言しづらいといった環境であっては、新人はよりいっそう萎縮してしまい、本来の力を発揮できない可能性があります。
年が近い同じ部署の先輩と席を隣同士にしたり、ミーティングの雰囲気をフランクなものにしたりと、新人が少しでものびのびと働ける環境をつくることで、新人教育の効果も最大限に引き上げられるでしょう。
定期的に1対1で話す機会を設ける
定期的な1on1のミーティングは、新人教育において非常に大きな意味をもっています。
まずはフィードバック。
新人の業務における悩みや不安、学んだことやできないことをヒアリングし、それに対して的確なフィードバックをしていくようにしましょう。くれぐれも、一方的なアドバイスの場にならないように気をつけてください。
また、新人との密なコミュニケーションの場としても大切です。
仕事中だとなかなか話す機会のないたわいもない話を通して、仲を深められる絶好の機会になるでしょう。ここで関係を深めておけば、新人がミスをしてしまったときや悩みを抱えているときに、いち早く相談してくれるかもしてません。
新人の目標や考えを確認することも目的のひとつです。
会社への入社を志望したからといって、必ずしも会社の目標と同じ目標をもっているとはかぎりません。普段、大勢の前ではいいづらい個人の目標についてヒアリングすることで、新人のなかに漠然とした違和感がある場合にも吸い上げることができるでしょう。
年齢や職場での役割、目標といった点で、新人と共通点のある方が教育担当者としてセッティングされていれば、より新人の身近な位置からのアプローチが可能です。
自分のモチベーション管理も大切
新人教育を担当することになった教育係は、モチベーション管理も重要な仕事になります。
新人教育は直接的な利益や成果にはつながりにくい側面があるため、モチベーションを維持するのが困難だといわざるをえません。すぐに数字として結果を出せる営業職とは違い、新人教育はどこか地味な役回りです。そのため新人教育に対して情熱を注ぐことができず、機械的にこなしてしまうケースもあります。
しかしそれでは質の高い新人教育を見込めません。
そこで念頭に置いておきたいのが「時間はかかるが新人を教育した経験が自分の糧になる」ということです。「人に教えることが自分の理解につながる」というのはよくいわれています。新人のためを思って考えを巡らせたことは、必ず自分の今後にも活きてくるでしょう。
直接的な効果や利益の見えにくい新人教育ですが、その仕事ぶりには上司がもちろん目を光らせています。給与査定の対象となっていれば、仕事ぶり次第で昇給につながるかもしれません。
新人教育のコツをふまえて真摯に向き合う
ひとりの社員と正面から向き合う新人教育は、決して簡単なものではありません。
片手間にやっていては失敗してしまいますし、真面目に1人で抱え込みすぎてもいっぱいいっぱいになってしまいます。新人と真摯に向き合いつつも、いざというときには周囲に助けを求めることが成功につながるでしょう。
また、新人教育という名称ではあるものの、一方的な関係ではうまくいかないでしょう。
新人教育を通して教育担当が学ぶことも数多くあります。教育担当と新人の意見が違った場合においても、頭ごなしに新人の意見を否定することはせず、受け入れたうえで柔軟な対応をとりましょう。場合によっては、新人の意見が正しいかもしれませんし、そうでなかった場合も、丁寧に納得できる説明を提供してあげたいところです。
新人の潜在能力を引き出し、同時に自分も成長できる新人教育。周りを巻き込んで有意義なものにすれば、セクションや会社全体が活性化することも夢ではありません!