新卒研修は、社会人になりたての新卒社員のスタートラインとなる重要な研修です。誰もが最初は通ってきた道とはいえ、実際に研修カリキュラムを作るとなると何から手を付けて良いかわからないことも多いでしょう。
ここでは新卒研修のカリキュラムづくりに必ず入れたい項目や平均的な期間、注意点をまとめました。
新卒研修に入れておきたい3つのカリキュラム
新卒研修のカリキュラムにぜひとも加えておきたいことが3つあります。
まず1つ目は、社会人としての在り方です。学生から社会人へと切り替わったばかりの新卒者は、学生気分のまま社会人デビューしているケースがよくあります。しかし学生気分で社会人生活は乗り切れませんから、社会人としての在り方についてまず研修する必要があります。
学生時代とは何もかも違うということを、研修の段階で早めに気付かせてあげるのです。
2つ目は基本的なビジネスマナー及びコンプライアンスについてです。どちらも昨今社会問題にまで発展しているテーマで、新卒者の段階からよく教育しておかないといけません。
ビジネスマナーが未熟では取引先からの信用を失いかねないですし、コンプライアンスに至っては会社に大きな損害をもたらすリスクがあります。どちらも重要項目ですので、新卒研修のカリキュラムから外すことはできません。
3つ目はビジネスに関連したスキル研修です。固定電話の使い方や名刺の受け渡しなど、社会人なら知っていて当たり前のスキルを研修します。最近では電話の取り次ぎすら覚束ない若者もいるため、スキル研修は必須です。
以上の3つが新卒研修に入れておきたいカリキュラムです。
新卒研修の平均的な期間と期間の決め方
新卒研修の平均は約3か月程度です。ただし、業種や職種によって、覚える内容に違いが生まれてくるため、研修期間も変わってきます。
例えば、事務部門と技術部門で見てみると、事務部門は約1か月以内で研修を終えている企業が多い一方で、技術部門では約3か月の企業が多く、中には半年以上かける企業もあります。
これは、専門的な知識や技術など現場に入る上での必須スキルが必要とされるかどうかの違いです。
つまり研修期間を決める際には、主な目的は何かを明確にしてから研修を行うことが重要です。期間は目的に対して、長すぎても短すぎてもいけません。長すぎると、モチベーションを下げてしまい、短すぎると、きちんとやっていけるかどうか、不安を感じさせてしまう可能性があります。
一般的なビジネスマナーの習得を目的とする場合は比較的短い研修期間となり、早めに職場内研修へと進めていきます。実務経験を積んでいく方が、よりスムーズな成長を見込めるからです。
一方、専門的な知識や技術の習得を目的とする場合は、比較的長い研修期間となり、どの知識をどれくらい覚えていくのかを具体的に明示しながらカリキュラムを決めていきます。
研修内容や環境に変化をつけて、飽きさせない工夫をしていくとよいでしょう。
新卒研修のカリキュラムを作る時の注意点
まず大前提として、会社が指揮する新卒研修のほとんどは法的に通常の「労働」と見なされます。
会社側の指示によって一定の場所に一定時間拘束されるもの、必ず参加しなければいけないものは通常の労働と同様に労働基準法が適用されます。
そのため、新卒研修のカリキュラムを組むときは労基に従って、研修後実際に現場で働くのと同じようなタイムスケジュールを組まなければいけません。
新卒者の躾や訓練の名目で違法な長時間拘束を強いたり、研修生にパワハラ・モラハラと取られかねないハードな内容のカリキュラムを組むのは絶対にNGです。実際に研修生やその親族などから訴訟を起こされ、慰謝料などの支払いを命じられたケースもあるので十分注意しましょう。
また、新卒研修のカリキュラムは会社として優先順位の高いものから順にスケジュールを組んでいくとベターです。
何らかのトラブルでカリキュラムの進行が遅れたり・不可能になった場合に、最低限の研修だけは終わらせることができます。その後必要であれば社内で短時間の追加研修を行えば、足りなかった分はいつでも補えます。なお、研修期間が数ヶ月などの長期に渡る場合、初めに実施した研修内容の印象がどうしても薄くなってしまいます。
また、研修期間の終盤にはこれまでの研修内容を総括する時間をしっかり取ることも大切です。
まとめ:要点を押さえれば新人研修は怖いものなし
新卒研修のカリキュラムを作る際には、ビジネスマナーやコンプライアンス教育といった必ず押さえるべき内容があります。
その他にも研修全体の期間や1つのトピックに費やす時間配分を押さえておけばバッチリです!この記事の内容を参考に、充実した研修カリキュラムを作りましょう。