人事評価制度ってなに?メリットとデメリットから注意点まで丸わかり

組織

「人事評価制度」とは、社員に対する企業の評価基準の一種です。

上手に運用すれば社員のみならず企業全体にもメリットがありますが、情報の保護や基準の明確化など、注意点もあります。

この記事では、人事評価制度のメリットとデメリットから、基準を作る際のポイント、注意点をまとめました!

人事評価制度とは|企業にも社員にもメリットがある

人事評価制度とは、一定基準に基づいて社員を公平に評価する制度です。この基準は業績だけでなく会社への貢献度など多角的な観点から設定されます。

企業にとって社員は組織を支える屋台骨であると同時に、利益を生み出す貴重な存在です。

経営資源にどれだけ投資するかが経営の本質ですが、人的資源という数値化されたデータを持たない資源に対し、外部からでもわかるよう「見える化」することで投資効率の向上が実現します。

透明化された評価制度の存在により社員の能力や実績は明示的なものになり、配置転換や教育プログラムの導入など人材のさらなる活用促進効果が期待されます。

また、働きぶりを評価する基準を設けることは働く社員にとっても好ましいものです。

勤め人にとって自分の働きに対する正当な評価は待遇改善につながる重要事項です。仕事の進め方や成果などが正しく査定されなければ思うような報酬を得られず、労働効率の低下や転職などの動きが出てきます。

責任者の主観混じりの査定ではどのような結果が出ても納得のいくものにはなりません。客観的な基準に従ってチェックされるなら日頃の努力を認めてもらえないという不満は解消され、すべての従業員がやる気を持って仕事にあたる環境が実現します。

つまり、人事評価制度は企業にとっては人的資源の最適配分が実現する、社員にとっては働きに対する正当な見返りが期待できる仕組みなのです。

人事評価制度のメリット|評価を数値化できる

人事評価制度を企業に導入することで得られる最大のメリットは「評価を数値化出来る」ことです。

企業にとって社員は利益を生み出す貴重な資源です。企業の経営効率を改善するには、企業内の資源をデータ化した上で最適な配分を実行する必要がありますが、人材は利益に直結する最重要資源でありながらデータ化するのが非常に困難です。

資金や在庫などは容易にデータ化できますが、社員はひとりひとり能力も違えば個性も異なるため均一に評価するのは簡単ではありません。

また、担当者の主観が入れば正確な結果は得られませんし、相性や魅力など組織運営上は重要な一方、査定が難しい項目も多くあります。うかつに手を出すと不正確な結果が出てしまいかえって経営効率を悪化してしまう可能性があります。

こうした状況の下、企業に導入される人事評価制度では明確で客観的な基準が設けられ、その基準に従ってそれぞれの社員が査定されます。

評価の基準が明確化されることで人間という極めて難しい対象を数値化することが可能になり、公平で平等に社員を判定することができるようになります。

すべての社員の評価を数値化することでひとりひとり異なる個性を持つ人的資源を平等に取り扱えるようになり、企業利益の向上につながる最適配分が実現します。

人事評価制度のデメリット|社員の意識が低下することも

人事評価制度のデメリットとしては、高い人事評価が必ずしも昇給につながらない点が挙げられます。会社の業績と、人事評価がリンクしないことがあるのです。

特に管理部門や開発部門や製造部門の社員については、会社の業績が悪化した場合、1年間の人事評価を高く評価されてお大幅な昇給や昇進人事に直結しないケースがあります。

人事評価制度を導入している企業の建前としては、高い評価の社員については高い昇給率で報いたり、昇進人事や昇格人事で報いることになっています。

しかしながら企業の実情としては、決算において増収増益を達成できなかったり、赤字決算に転落した場合は、高い評価の社員を昇給させたり、昇進や昇格をさせることは困難です。

労働契約法や労働判例において、社員の給料をダウンさせることは原則認められていないため、人事評価の低い社員の給料を前年比20%や30%も引き下げることはできません。このため、人事評価が良くても給料が上がらないケースが発生します。

営業部門の社員など、自分自身の働きと会社の業績がリンクしている社員の場合は、人事評価と待遇がリンクするため不平不満は生じません。しかし、管理部門などの社員の場合は、人事評価が高くても給料が上がらないケースが発生するため、社員の意識を低下させてしまう事態を招くケースがあるのです。

人事評価の基準の作り方|社員になにを求めるか

人事評価制度では基準作りが重要なポイントになります。どんな基準を採用するかによって得られる結果は全く異なるものになり、その後の人材活用に大きく影響します。

人事評価の基準の作り方として重要なのが「社員に何を求めるか」を明確にすることです。まず第一に能力の優先順位を明確にしなければ役に立つデータは得られません。

人材の優秀さは働く企業によって変わります。求めるものを正当に査定できる判定基準を設けることが正当な評価に従った社員活用の第一歩となります。

例えば接客業ならコミュニケーション能力やセールストーク力が重要視されますが、機械を相手にする職種ではそれらの能力はほとんど必要とされません。調理師にはプログラミングの技術は求められませんし、ユニークな発想は土木工事の現場では役に立たない能力です。

このように、要求項目を明確にすることで実践的に役立つ評価基準は決まります。

優秀な人材、という漠然としたイメージだけでは社員が持つ本当の能力をすくい上げることはできません。

欲する人材像を明確にすることは、企業経営必要なものとは何なのか、どのように利益を最大化するべきなのかを追求する行為でもあります。会社として目指す方向を考えることが、有用な人事評価基準の作成に繋がるのです。

人事評価制度を運用する際の注意点

人材活用に大きな効果が期待できる人事評価制度ですが、実際に運用する際には注意すべき点があります。

まず1つは、評価を決める判断材料となる個人データの取り扱いです。

評価の使い方を誤れば社員のキャリアを歪める事態になりかねません。制度を活用して得られたデータは重大な個人情報であり、万一漏洩するようなことがあれば大損害に繋がる恐れがあります。

結果は重要に管理し情報へのアクセス権にも制限を設けるなど十分なセキュリティ体制の確立が必要です。

また、評価は常に客観的な基準に基づいて実行されなくてはいけません。主観や先入観が混じれば査定結果は歪んだものとなり、従業員の働きを正当に評価できなくなってしまいます。

歪められたデータは企業にとって人材活用の妨げになりますし、従業員にとっては十分な働きをしてもそれに見合うだけの見返りが得られず不満が溜まってしまい逆効果です。

これを防ぐために、評価基準は外部からでもチェックできるようにしておき、不正や偏りなどの私的があれば即時対応することで収集したデータの信頼性を確保できます。

さらに、業務内容や組織体制にマッチした形で評価制度を設計しないと現場との溝ができてしまいます。

職場事情に最適化された基準を個別に設計するのが理想ですが、一律の基準を採用する場合でもそれぞれの事情に合わせてカスタマイズできる柔軟さが必要です。

まとめ:「人事評価制度」の正しい知識を身に付けて会社を活性化

人事評価制度は、正当な評価基準が設けられていれば個人のモチベーションアップに繋がり、企業全体にプラスの影響をもたらす制度です。

情報の取り扱いや基準の明確化など、この記事で紹介したポイントを押さえておけば上手に運用できます。人事評価制度を利用して社内の活性化を目指しましょう!

タイトルとURLをコピーしました