【完全版】ハローワークへの求人掲載から採用までの全手順

採用

公的な職業紹介所であるハローワーク。求人を出す事業者にとってもポピュラーな掲載場所の1つですが、具体的な掲載やその後の流れについてはよくわからない方もいるでしょう。

そこで、この記事ではハローワークに求人掲載をするための手続きから実際採用するまで、全ての手順を解説します。ハローワークでの求人掲載を検討している方はぜひ参考にしてみてください。

ハローワークに求人を出す流れ・手順まとめ

ハローワークに求人を出すために必要なステップを順番にご紹介します。

事業所住所を管轄しているハローワークで必要書類をもらう

まずは必要書類の準備からです。事業所住所を管轄しているハローワークへ行き、求人掲載に必要な書類をもらいましょう。必要書類は以下の通りです。

  • 事業所登録シート
  • 事業所地図登録シート
  • 求人申込書

記入例も用意されているので、わからない部分は確認しながら記入しましょう。

初回時は事業所登録をする

ハローワークに求人を出す際、初回時に事業所登録を行う必要があります。事業所登録の方法は主に2つです。

1、ハローワークインターネットサービスに求人者マイページを開設し、事業所情報を仮登録。ハローワークの窓口で本登録の手続きを行う。

(参考)事業所情報の入力のしかた(PDF)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/jigyousyojouhounonyuuryokunosikata.pdf


2、ハローワークに出向き、端末で事業所情報を入力するか、事業所登録シート(PDF)に記入し仮登録します。

(参考)事業所登録シートの書き方(PDF)
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/doc/jigyousyotourokusi-tonokakikata.pdf

手元の事業所登録シートや事業所地図登録シートを確認しながら、画面に沿って入力していきましょう。事業所情報を入力し終えると仮登録となります。仮登録後、14日以内にハローワークの窓口で本登録手続きを行う必要があります。

(参考)ハローワーク インターネットサービス「求人申込み手続きの流れ」
https://www.hellowork.mhlw.go.jp/enterprise/job_offer01.html

求人申込書に記入する

事業所登録が完了したら、求人申込書に記入します。仕事の内容や雇用形態、雇用期間など求人における重要項目が多数もうけられています。

求職者はこの情報を見て応募を検討するので、漏れや誤りのないよう、しっかり記入しましょう。なお、年齢や性別に制限を設けて求人募集をすることはできません。

求人の項目の中には、事業所の裁量で決められる部分とそうでない部分があることに注意です。

求人が掲載される

求人申込書を提出するとハローワーク側で内容の確認・登録が行われます。内容に問題がなければ、求人票の控えが渡されるので、なくさず保管しておきましょう。

ハローワークでは求人情報の入力が完了すれば、そのまま即時掲載がスタートされます。なお、途中で求人内容に変更が生じた場合、項目によっては電話やFAXなどでの連絡で対応してもらえる場合もあります。手元に求人票を用意して連絡してみましょう。

ただし、職種や雇用形態など、変更するためにはあらたな求人申込書の提出が必要な項目もあるので、注意が必要です。

応募があればハローワークが電話が来る

求人掲載後、実際に応募があった場合、ハローワークから事業所に電話連絡が来ます。

応募書類が届いたら選考する

ハローワークからの電話連絡後、応募書類が送られてきます。手元に届いたら書類の内容を確認し、選考を行いましょう。書類選考で、応募の要件を満たしているか、採用基準に達していない部分がないか、しっかりチェックしてください。

応募者と相談して面接を調整する

書類内容の確認や選考が終わったら、速やかに応募者に連絡をします。書類選考で不採用の場合は不採用の旨を、通過の場合はその旨と次の面接に関する連絡を行います。

面接の連絡で必要なことは、日程、面接場所、持ち物などです。特に日程は事業所と応募者の予定をすり合わせる必要があるので、行き違いなどが発生しないよう注意しながら調整しましょう。

なお、ハローワークを通じている応募者は、ハローワークが渡す「紹介状」を持っています。面接の際に紹介状を持参しているか、必ず確認しましょう。

採用・不採用を通知する

面接が終わったら最終的な選考を行い、採用・不採用を速やかに通知します。通知の仕方は2通りです。

1つは事業所が直接応募者に採用・不採用を連絡する方法、もう1つは応募者が持参した紹介状の中にある採否通知書に記入し、応募者を紹介してくれたハローワークに郵送・FAXなどで連絡する方法です。

いずれかの方法で、できるだけ早めに連絡しましょう。これで採用までの一連の流れは完了です。

ハローワークインターネットサービスからも一部手続きが可能

前項まででご紹介した手続きの一部は、ハローワークインターネットサービスからも行うことが可能です。

ハローワークインターネットサービスとは、ハローワークの手続きをオンライン上で行えるサービスのことで、利用すれば窓口に出向く手間を省くこともできます。利用するためにはまず事業所登録が必要ですが、この事業所登録も、ハローワークの窓口にある端末から行うほか、事業所のパソコンなどから手続きできます。

登録が完了するとマイページから、求人申し込みや、応募者の選考結果の連絡などを行うことが可能です。また、応募者の管理などもマイページで行うことができます。

ハローワークに求人を掲載するメリット・デメリット

ハローワークに求人を掲載するメリットやデメリットにはどのようなことがあるのでしょうか。それぞれ詳しくみてみましょう。

メリット

  • 無料で求人掲載ができる
  • 掲載期間が長い(掲載期間は最長3ヵ月、最短でも2ヵ月)

無料で求人掲載ができる

ハローワークの大きなメリットは、無料で求人掲載ができる点です。

一般的に求人サイトに募集記事を掲載する場合、掲載料を支払う必要があります。料金の相場は求人サイトや掲載期間、記事の内容などにもよりますが、最低でも2~4万円ほどはかかります。また、プランによっては数十万円の料金がかかる場合もあります。

しかし、ハローワークなら求人掲載料金は一切かかりません。求人に関してコストを抑えたい事業者にはぴったりでしょう。

ハローワークの掲載期間は最長3ヵ月、最短でも2ヵ月

ハローワークの掲載期間は申込日の翌々月末までと決まっています。例えば4月1日に申し込めば、6月末まで掲載されます。4月末に申し込んでも6月末まで。

つまり、ハローワークは最短でも2ヶ月、最長なら3ヶ月ほど求人の掲載をすることができます。

掲載期間が長ければ長いほど、多くの求職者に見てもらえる可能性が高まりますので、事業者としても喜ばしいことです。しかし、一般的な求人サイトではプランによって掲載期間が決まっており、掲載期間が長いほど料金も高額になります。できる限り長く掲載したいと思っていても、料金との兼ね合いを考えると悩ましいという方もいるでしょう。

その点、ハローワークは無料で2~3ヵ月間の求人掲載が可能となっています。

デメリット

  • 求人募集のサポートがない
  • 広域の求人募集には向かない
  • 高いスキルを持つ人の採用は難しい

求人募集のサポートがない

民間の求人サイトで求人掲載を行う場合、予算やサービス内容によってさまざまなプランを選ぶことができます。

例えば募集記事に掲載する文章の作成などを、求人サイトが全てフォローしてくれるプランもあります。このようなプランを利用すれば、より求職者印象に残るような、目立つ募集記事を掲載しやすいでしょう。

また、募集記事をサイト内の上位に表示してもらったり、バナーや動画を作成してもらったりというサービスもあります。

つまり、求人サイトは料金がかかるものの、コストをかければ、求人募集をサポートしてくれるようなさまざまなサービスを受けられるということです。

求人サイトのスタッフはさまざまな求人募集を見て豊富な経験があるので、そういったスタッフの支援を受けながら求人募集できるなら、事業所も心強いでしょう。また、求人への応募数がなかなか伸びない場合は、もっと募集が増えるようなアドバイスをもらえるサービスもあります。

しかし、ハローワークで求人掲載を行う場合、このようなサポートサービスはないので、全て自分で考える必要があります。

広域の求人募集には向かない

ハローワークは、管轄地域の求人のみを掲載するというルールがあるため、広い地域を対象に求人を募集したい場合には向きません。

高いスキルを持つ人の採用は難しい

ハローワークで職探しをしている人の多くは「仕事がなくて困っている人」になります。高いスキルや資格を保有しているような人であれば、ハローワーク以外の求人媒体を利用して転職活動を行いますので、そういった人材を採用したい場合はハローワークだけでは難しいでしょう。

効果的な求人票の書き方

より多くの応募者を募るためには、求人票の書き方を意識するのが効果的です。求人票を書く際のポイントをご紹介しましょう。

まず大事なポイントはわかりやすく書くこと。例えば求職者が見たとき、「一体どのような仕事をするのか」ということが全くわからないような求人票では、応募者は増えません。誰でも、仕事内容が不透明な職場よりも、何をするのかオープンでわかりやすい職場で働きたいと思うものでしょう。したがって、抽象的な表現は避け、できる限り具体的な書き方をすることが大切です。

また、情報はできる限り細かな部分まで詳しく書くことです。特に就業時間や給与・賃金面など、応募者の注目度が高い部分については詳細に書くことをおすすめします。

自分の事業所にしかない売りをアピールするのも大切なポイントです。例えば「未経験者でもしっかり教育・サポートします」ということをアピールすれば、その職種の経験がない求職者でも応募しやすいでしょう。

「シフト相談に柔軟に対応できます」ということをアピールすれば、特定の時間や曜日などに働きたい方に人気が出る可能性があります。また、「こういった人に来て欲しい」という希望を記載しておくのも効果的です。

「接客が好きな方にぴったりの職場」「基本的なパソコン作業ができる方歓迎」など、事業所が求める人物像を記載しておけば、応募者と事業所のギャップが小さくなり、効率的に選考が進められる可能性があります。

求人票の中の項目は決まっていますが、工夫次第でより求職者の目に留まりやすい書き方をすることは可能です。自分が応募するならどのような求人に興味を引かれるか、求職者の目線を意識しながらより応募したくなるような求人票を考えてみてください。

ハローワークを上手に使って求人募集をしよう

ハローワークでの求人掲載にはメリットとデメリットの両方がありますが、上手に活用すれば効果的な求人募集を実現できるでしょう。

ハローワークの求人掲載の手続きをしっかり理解すること、求職者が応募したくなるような求人票を作成することなどが大切です。ぜひこの記事を参考にしながら、ハローワークでの求人掲載を検討してみてください。

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