優秀な人材が辞める!社員が離れる理由、正しいケア、対策

優秀な人材からの退職の申し出離職

優秀な人材は貴重です。当然、辞めることなく、長く活躍してほしいものです。しかし、現実は、そう思い通りにいきません。有望な逸材に限って、些細なことがきっかけで比較的早期に退職してしまいがちです。

辞められる社員が組織にとって必要不可欠な存在だった場合、彼・彼女らが抜けた穴を埋めるには多大な労力を費やすことになります。到底無視できない問題です。仮にその状況を蔑ろにしてしまっては、そのまま組織自体が崩壊してしまいかねません。

本件、実際に苦労されている人事や組織の責任者たちは多いかと存じます。
そういうわけで今回は、優秀な社員が辞めてしまう理由や退職の兆候、社員を長く定着させるための方策についてなど、幅広く考察いたします。

優秀な社員が会社を辞めてしまう理由とは?

優秀な社員が辞めてしまう理由が分からない人たち
優秀な社員に限って会社を辞めるのなんでだろう?

優秀な社員が辞めてしまう理由はいたってシンプルです。にもかかわらず、離職率の高い組織では、それを気付けていない、もしくは気付いてはいるが何も手を打てていないという状況なのでしょう。他方、ケアまでしっかり行ってきたつもりでも、望まない事態につながってしまうのは、往々にしてあります。おそらくそれは、目配りが一方向に偏っていたことが原因でしょう。
本章では、いくつか具体的に考えられる理由を紹介します。

できる人に仕事が集中する

優秀な社員が退職する原因のひとつとして挙げられるのが、仕事量の集中です。同じ期間で他の人たちよりも多くのタスクをこなすことができ、難しいタスクを短期間で完了させられる社員には、「組織全体で見た時の作業効率の良さ」が優先され、多くの仕事が舞い込みやすくなります。増え続ける作業量が社員個人のキャパシティを超えてしまうことは、しばしば見受けられる光景です。その結果、ストレスを溜め込んでしまうのもやむを得ません。「自分だけが酷使されている」と会社に対して不満を抱えてしまうようになります。
と同時に、優秀な社員は自己管理能力に長けているため、ストレスで自分が使い物にならなくなる前に環境を一新しようと、早々に転職を検討してしまうのです。

待遇面

待遇や環境に対する不満も、考えうる退職理由に挙げられます。優秀な社員は成長意欲が旺盛で、スキルを磨き、キャリアを積む機会を常に求めています。しかし、会社が新しいことへのチャレンジに対して消極的な姿勢を取っていたり、能力や成果に対する正当な評価を与えなかったりしていれば、社員の不満はたまり続ける一方です。

いまや、ホームページの情報やカジュアル面談など他社へのアプローチは容易になってきました。その結果、経験やスキルに価値を見出し、可能な限り良い条件を整え迎え入れてくれる企業が少なからず存在していることがわかるはずです。そうなれば、気持ちは一気に新天地へと加速。より良い成長機会や待遇を得られる環境を求めて、転職へと舵を切ってしまうことでしょう。

人間関係

人間関係の悪化も退職の引き金になりえます。能力が高い人は、周囲からの嫉妬を買いやすく、組織間での衝突も起こりがちです。上司や同僚と反りが合わなくなり、職場の居心地が悪いと、転職して環境を変えようと考えるようになります。また、「上司にリーダーシップがない」「同僚にライバルがいない」いったことを悲観し、退職を検討する方も多い印象です。

優秀な社員が辞めることで発生する会社への影響

優秀な社員が退職して困っている人
優秀な社員が辞めてしまった!会社はどうなってしまうんだ!?

会社にとって辞めてほしくない人の退職は、多くのデメリットをもたらします。
業務効率の低下、納期管理の問題、他の社員への負担などはもちろん、組織に対する目が内外問わず変わってしまう恐れも危惧せねばならないポイントです。
さて、その影響の大きさを切に感じるのは、どういったケースが考えられるでしょうか。

顧客との関係性崩壊から最悪の事態に!

辞めてしまった社員が取引先と良好な付き合いを築いていた場合、退職に伴って組織同士の密な関係性までもが失われてしまうかもしれません。交渉中の案件が破談することや、販路が絶たれるといった最悪の事態も想定の範疇です。及ぼす影響の領域は、部署単体に留まりません。会社全体の売上や評判に大きく響き、立て直すには多大なコストや時間がかかると考えられるでしょう。

プロジェクトを断念せざるを得ない羽目に!

退職した社員を中心として動いていたプロジェクトや、その社員の存在を前提とした人事計画については、全て軌道修正や方針転換を余儀なくされます。年単位で稼働していた案件は、座組みの変更やスケジュールの見直しが発生するだけでなく、プロジェクト自体の縮小や凍結といった、致命的な状況に発展することも覚悟しなければなりません。

退職者が止まらない!

優秀な人材がいなくなることで発生するもっとも深刻な問題が、「退職の連鎖」です。一人の社員が何かのきっかけで辞めてしまうことは、退職を迷っている他の社員の決断を後押しすることになりかねません。そして、実際にそうしたケースは多いです。
優秀な人材は嫉妬絡みの敵がいる一方で、周囲に慕われる存在であることも多く、影響力が大きいです。したがって、優秀な人材に辞められてしまうと、「あの人がいないのならば自分がこの会社でやっていく意味がない」という理由で、皆一斉に退職することも考えられます。
まさに退職者が続々と出てきてしまう負の連鎖。これを断ち切るのは極めて困難です。

優秀な社員が会社を辞める兆候

会社を辞めようとしている男
優秀な社員が会社を見切るとき

一見すると唐突に思える社員の退職も、実は先立って何らかの兆候がうかがえるものです。社員が退職を考えはじめてから辞意を伝えるまでの間に露見される危険信号は確実に存在します。きちんと把握し、見逃さないようにしましょう。

タスク依頼の追加を拒否

忙しくしつつもいつもなら二つ返事で引き受けてくれる社員が、新たなタスクを渋り始めた場合は要注意です。その社員の仕事量がキャパシティを超えつつあることが考えられます。この兆候を見逃し、半ば無理やりに仕事を与え続けてしまえば、先に説明したように、仕事量の過度な集中を引き金とした退職につながりかねません。緊急でない業務は手が空いている社員に任せるなど割り振りの調整を行い、一人に負担がかからないようにしましょう。

急に増えてきた遅刻や欠勤

そもそも以前は限りなくゼロであったにもかかわらず、遅刻や欠勤が目立つようになる社員は、仕事に対するモチベーションが低下しているのかもしれません。
優秀であるがゆえ、普段の業務を退屈に思えたのでしょう。上司は、その変化を見極め、やり甲斐のある仕事を与える必要があります。

不満や愚痴はストレートに辞める兆候!

社員が現状に対して不満や愚痴をこぼすのは、シンプルに辞める兆候と捉えましょう。たまに見聞きする言説で「文句を口にする人に限って辞めないので大丈夫」というものがありますが、実際は放置しているとそのまま退職してしまう危険な兆候です。
とはいえ、不平不満が耳に入る時点では、その社員はまだ転職先が見つかっていなかったり、そもそも探す前の段階であったりすると考えられます。そのため、気付いた時点で聞き取りや、不満への対策を講じていくようにしましょう。
評価や給与に対する不服や同僚との人間関係の悩みは、徹底的に話し合うことで、解決を図れることもあります。手遅れにならないよう動いてください。

デスクまわりがなぜかスッキリ

退職寸前の兆候が身辺整理です。社員のデスクのまわりで急に物が減りはじめた場合は、転職先が決まっていることさえありえます。辞意を伝える前のいわば退職最終段階です。もちろん、ただ思い立って整理整頓をしただけというケースもあります。いずれにせよ、注意が必要です。

優秀な社員を会社に留めるための対策

優秀な社員を手放さない対策を考える女性
優秀な社員のためにできることって何かしら?

憲法で職業選択の自由が保証されている通り、社員はいつでも会社を辞めることが可能です。逆にいえば、それを無理矢理引き止めることはできません。だからこそ、優秀な社員の退職を防ぐべく、きちんとした対策をあらかじめ講じる必要があります。
目指すは社員が「今の会社を辞めたくない」「長く働きたい」と思えるような職場環境の構築。具体的にはどういった施策が良いのでしょう。

納得できる成果報酬を与える!

まず、成果を出している社員には正当な評価を与えましょう。当たり前ですが、思いのほかできていない組織が多いのが事実です。
上司は、気付いた点があればどんどん言葉で褒めるように推進したいところですが、それだけでは部下の欲求は満たされません。昇給や昇進、ボーナスによる追加報酬など、具体的な待遇の改善がどうしたって必要です。
「頑張れば正当に評価する」という指針を明確にしなければ、社員は不信感や懐疑心を持つようになるでしょう。それらが膨らみ、結局は離れていくのが目に見えます。
どうしても給与に反映するのが難しい場合は、会社に貢献している人たちに対して、皆の前で表彰し功績を称えるなど、分かりやすく社員の承認欲求を満たせるようにしてください。当然、そのジャッジを間違えてはいけません。他の社員も納得できるよう、なおかつ目標意識を芽生えさせることが大事です。

社員の意見を否定しないようにする!

優秀な社員は現状に満足せず、効率的な仕事の進め方や新商品などのアイディアを積極的に提案し、実践しようとします。こうしたアイディアにはしっかりと耳を傾けて、前向きに採用を検討するようにしましょう。仮に、意見があまりに無茶苦茶なものであっても、ただ切って捨てるのではなく、肯定的に捉える努力や、改善点を話し合いながら探っていく姿勢をみせるようにしてください。

コミュニケーションの機会を増やす!

信頼関係を築くためには、普段からコミュニケーションを取ることが重要です。仕事の合間にちょっとした雑談を挟んでみたり、部下の予定が空いている時に食事に誘ったりするなど、折に触れ気にかけるようにしてください。
大事なのは緩急。プライベートに踏み込みすぎるのは良くないことですが、どこか張り詰めた空気が社内に漂っていた場合、開放的な気分を作ってあげなければ、社員はどんどん息苦しくなっていきます。そうならないよう、積極的とまではいかなくとも、何気ないリフレッシュの時間を設けることが大切です。些細な会話であっても侮ってはいけません。ひょんなことから、仕事上の不安や人間関係の悩みを汲み取ることができれば、退職を防ぐ対策も立てられやすいでしょう。

時代遅れにならないように気を付ける!

福利厚生の充実や、ハラスメントの撲滅、社員の健康診断……等々、社員の定着率を上げる要素はいくつもの観点で転がっています。
社員が安心して働ける環境を作り、問題が発生した場合には的確に対応できる仕組みを作るべく、時代の流れにもしっかり向き合っていきたいところです。
人は他所と比べます。そこで引けを取らない体制、社風を築き上げることができれば、愛着度や帰属意識が高まるでしょう。
いずれにせよ、一人ひとりの社員の目線に立つことが求められます。

優秀な人材が会社に定着する未来へ!

会社の未来を担う優秀な人材
優秀な人材を定着させるために意識すべきことは?

優秀な人材が辞めてしまう背景に共通するのは、一言で片づけられないことは拙稿にてお伝えした通りです。だからこそ、あらゆる視点を持って、社員全員と接していかなければなりません。肝になるのは信頼関係。ここが崩壊するとたちまち組織全体に悪影響を及ぼします。人間関係の軋みはもとより、不当な人事評価、過剰なタスクの集中などによって引き起こされる信頼の損失は、非常に根深いものだと知っておくべきでしょう。

優秀な人材が離れないようにリスクヘッジを取りつつ、さらなるホープがどんどん入ってくる組織づくりができれば理想的です。意外と、意識一つで叶うものですよ。ぜひ、会社の発展のため、あらためて一人ひとりの社員を大切にしてください。

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