「従業員サーベイ」とは?そのメリットと実施方法を徹底解説!

従業員満足度 職場環境

大小問わず職場トラブルはどんな企業でもひとつは抱えているものだと思いますが、その原因はいずれも定性的であることがほとんどでしょう。

ハラスメントのようなすぐに対処しなければいけないような問題を除くと、従業員が日々抱えている「なんとなくやる気が出ない」「なんとなく会社に信頼感が持てない」という数値では表せられない「なんとなく」の問題点がいずれ大きく膨らんでトラブルに発展することが多いのです。

本来は早くに対処することで解決できるかもしれませんが、あくまでもこれらは定性的な問題で可視化するのが難しいため、対処が遅れ、だれかの目に見えるようになったときには既に問題が大きくなってしまっていることが多く、つまり問題視されていない段階でそれを可視化することができれば、解決するのも早くなるということ。

そこで役に立つのが「従業員サーベイ」です。

「従業員サーベイ」とは

「サーベイ(survey)」とは「調査」を意味し、つまり従業員の満足度調査を「従業員サーベイ」といいます。特に企業など組織内で行われるアンケートを指すことが多く、かつての終身雇用を前提とした働き方から革新が続く近年は取り入れる企業が増えてまいりました。

従業員の組織に対する満足度や自主的な貢献意欲=「従業員エンゲージメント」を高めるのが大きな目的で、こうした企業と従業員の関係性をデータ化し、改善、向上させようとする働きかけのことを「Employee Relationship Management」の頭文字をとって「ERM」とも呼びます。

従業員サーベイは先述のとおり基本的に自社内で行われることが多いですが、世界60カ国以上で従業員意識調査を行い、調査結果をもとに毎年「働きがいのある会社ランキング」を発表している機関「Great Place to Work(R)」のように、複数の組織を対象に大規模に行われることもあります。

当然ながら従業員満足度の高い企業は離職率も低く、各々モチベーションを持って業務に臨んでいるため、生産率も高い傾向にあります。そのため、自社の従業員の満足度を把握することは、組織全体を成長させるために大きく役立ちます。

現状の職場環境を客観視することができるため、もし従業員満足度がそれほど高くない企業であっても、そのことを真摯に受け止め、解決策を見出すことができれば、今後の大きな発展と成長につなげられるということです。

なお、従業員サーベイを実施する際は、匿名性を守るようにしましょう。実名制だと評価、査定には響かないと伝えても忖度してしまうこともあるため、だれの意見なのかわからなくすることで率直な意見が集まりやすくなります。

また、結果を集計したら必ず従業員全員に適切にフィードバックするようにしましょう。そうすることで企業、組織への信頼性も高まり、その後、解決策を講じた際にも受け入れられやすくなります。

従業員サーベイの実例

HR総研の調査によると、「社員間のコミュニケーション不足は業務の障害になる」と認識する企業は9割を超えており、組織内におけるコミュニケーションの重要性を感じているようです。

また、コミュニケーションを阻害している要因は「管理職・社員・経営層のコミュニケーション力不足」と「組織風土・社風」だとし、やはり定性的な要因を挙げています。

この従業員サーベイによって浮き彫りになったのは、前述のとおり、数値化できない部分の課題。これらを改善するには、実際に従業員の何割がこのように考えているのか、どのくらい問題視しているのか、など、定量化することで目標を掲げやすくし、実際にそれに取り組んでいく必要があります。

従業員サーベイの方法

従業員サーベイの方法は大きく、「センサス」と「パルスサーベイ」のふたつに分けられます。

センサス

センサスの特徴は年に1回など、長いスパンで行われること。その分、設問量が多いため、細かい分析を包括して行うことができるのがメリットです。また、毎年決まった時期に行うことで年次データを蓄積することも可能です。

かつては従業員サーベイというとセンサスが主流だったのですが、この方法にはデメリットも存在することがわかってきました。

それは、設問数が多いため、回答者(従業員)、集計者どちらにも時間と労力がかかってしまうこと。そのため、どうしても回答率が下がってしまったり、正確性が落ちてしまったり、解決までに長期間を要したりしてしまうのです。

また、一年の間に従業員全員の環境や心持ちが変化しないとは考えにくく、つまり経営者や人事担当者が問題点を見つけて解決策に身を乗り出したときには既にその問題は拡大化してしまっているかもしれませんし、まだ見えていない別の問題が生じてしまっているかもしれないのです。

以上の理由から、近年では次に挙げる「パルスサーベイ」の方がベーシックになってきています。

パルスサーベイ

パルスサーベイは、短いスパンで行われるのがなによりの特徴です。頻繁に行うため、設問数も少なく、基本的には1分前後で回答できるものとされています。パルス(pulse)=脈拍であるように、週次や月次など短期間に繰り返すことで、従業員と企業の健全な関係性を築くことを目的としているのです。

最大のメリットは、リアルタイムに近い従業員満足度を把握できるというところにあるでしょう。従業員の意識は、ちょっとした環境の変化や日々の些細なミスなど、さまざまなものを要因として変化しやすいものです。それを逐一確認できるので、企業にとっては容易く成長材料が手に入れられるといえます。

また、年単位で行うセンサスの場合、設問量が多くなるため、従業員を多く抱えている企業の場合、集計、分析は他社に委託する必要が生じるかもしれませんが、パルスサーベイであれば設問量が少ないため、自社で製作、実施、集計、分析、フィードバックすべて可能なので、コストも抑えられます。

もちろん、フィードバックの際には個人を特定できないように注意するようにしましょう。

質問内容は主に定点観測ができる項目を全体の8,9割、直近の満足度調査ができる項目を1,2割と、ある程度フォーマットを作っておくと調査も分析もしやすくなります。具体的には会社や業務内容に関する理解度、上司や同僚とのコミュニケーションの有無、環境における満足度、今後成長できる機会の有無など。特殊な環境、福利厚生のある企業はそれらに関する項目も作るといいかもしれません。

従業員サーベイの活用方法

従業員サーベイは調査することが目的ではありません。あくまでも、その結果をもとに解決、改善、向上に導くことが目的です。

たとえば先ほどの事例のように「管理職・社員・経営層のコミュニケーション力不足」と「組織風土・社風」がコミュニケーションを阻害する要因として挙げられたのであれば、積極的に管理職が従業員と接する機会を作ったり、社内チャットツールを導入して情報共有を頻繁に行うよう促したり、カフェスペースを作ってだれでも自由に会話を楽しめる雰囲気づくりをしたりするといった施策が立てられるでしょう。

また、社内チャットツールを導入すると、今後の従業員サーベイ自体もその中で実施することができます。メールで一斉送信する、また、全員同時に実施するよう告知するよりも手軽に対応できるので、回答率も上がるのではないでしょうか。

適切な実施方法はそれぞれ企業規模にもよるはずなので、実施前に念入りに計画を立てるのも重要ですが、まずは始めてみて、従業員の反応を見ながら柔軟に変化し続けていくとよいでしょう。

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