「この人を雇用したい!」選考を終え、一連の採用活動の最後に行う内定通知。労働契約の成立を意味する内定は、いつのタイミングでどのような内容で出せばよいのでしょうか。
また、内定を出してから本採用までの流れや企業が準備しておくべき内容は何か、採用担当者が理解しておくべきポイントをご紹介します。
内定通知を送るタイミング|なるべく早くが基本
まず、採用における「内定」とは採用日前の合意のことを意味します。企業が選考を経て内定を出すと、求職者からの労働契約の申し込みを承諾したこととなり、企業と求職者間には労働契約が成立します。
求職者が「内定」を受け入れることで、採用が決定するのです。つまり企業から一方的に内定を通知しただけでは労働契約は成立しません。
ぜひ採用したい、早く労働契約を成立させたいのであれば、内定通知を送るタイミングはいつか。それは、「なるべく早く」が基本です。すでに優秀な求職者は複数の企業の内定を持っていることが多いでしょう。求職者を待たせてしまうと、他の企業へ流れてしまう可能性があります。企業規模によっては、即日の採用内定連絡は難しいかもしれませんが、早ければ早いほど効果的です。
内定を伝える方法としては、電話・メール・文書郵送の3パターンがあります。早く伝えたいのであれば、まずは電話をしてから詳細はメールや郵送でという方法もあります。企業によってはいわゆる親ブロック(親の反対)を防ぐ為、学生だけでなく親に内定の電話連絡をするところも。安心感を与え、内定辞退を防ぐためにもこの内定の連絡は非常に重要なものです。
内定通知メールのテンプレート
では、一般的な内定通知はどのような内容でしょうか。ここでは内定通知メールのテンプレート例をご紹介します。
雇用契約に関する書類は書面で別途作成する必要がありますが、先にメールでお知らせをしてあげることで求職者へ安心感を与えることとなります。
- 1、件名
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「選考結果のご連絡 採用通知」
- 2、宛名、発信元
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□□□□様 株式会社○○の◆◆と申します。
- 3、本文
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先日は当社の社員採用試験にお越しいただき、誠にありがとうございました。
選考の結果、□□様を当社社員として、△月△日付で採用することに決定致しましたのでご連絡致します。
つきましては、ご提出いただく書類を郵送致しますので、期限までにご返送下さいますようお願い申しあげます。何かご不明な点がございましたら、当社採用チーム(電話番号○○-○○○○)までお問い合わせください。
新たな人材をむかえられることを、社員一同大変うれしく思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
- 4、署名
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3の本文では、選考参加への御礼、選考結果、今後の手続き、問い合わせ先を盛り込みます。
そして、求職者の不安と期待の思いをくみ取り、安心して受け入れますよというメッセージも伝えると効果的です。
内定通知メールを送った後は|面談、条件の確認など
では、内定通知のメールを送った後は何をすればよろしいのでしょうか。内定通知メールを送ったときから、既に内定者フォローは始まっています。
前述のように企業が内定を通知しただけでは、労働契約は成立しません。求職者が受け入れたことを示すために、まずは、「就職承諾書」を出してもらう必要があります。書面での内定通知書と共に就職承諾書を送り、返送してもらいましょう。期限内に提出してもらうことで、内定辞退を防ぎます。
その後は、改めて給与や労働時間等の雇用条件の確認をします。その際に内定者フォローとして面談をしましょう。
内定から本採用まで期間があけばあくほど、内定者の不安を和らげるためのこまめな連絡が必要です。内定通知後も会社や社員の魅力を伝えましょう。また、入社当日までに必要な書類の案内も必要です。年金手帳の番号、扶養の有無の確認、給与口座の確認、免許資格書類の提出等です。
尚、内定者へお知らせはいずれも連絡の時間を気にしておく必要があります。終業時間が17時なのに、深夜に連絡メールがきていたら、求職者は不信感を持つことにもなります。できるだけ業務時間内での連絡が望ましいと言えます。
まとめ
採用活動時に誰もが頭を悩ませる、内定者への連絡のタイミング、内定通知メールの例、内定連絡後から入社までの一連の手続きをご紹介しました。
せっかく、獲得した優秀な学生を逃さないために、ポイントをしっかり押さえておきましょう。