採用活動を始める際、どのような方法で選考を進めたらよいのか分からない人事担当者は少なくありません。そこで、今回は採用活動手段のひとつである「求人検索エンジン」のメリット・デメリットについてご紹介いたします。
そもそも、「求人検索エンジン」とは、いわば求人情報に特化した検索エンジンのこと。企業と提携しその求人情報を掲載している求人サイトとは違い、インターネット上にある求人情報を取集しユーザーに一括公開しているのが特徴です。そのため、登録していない求人サイトにしか掲載していない求人情報もまとめて見ることができるのです。
自社にぴったりの検索エンジンを見つけて、採用活動を進めてみてくださいね。
5大求人検索エンジンを徹底比較
ここでは、日本国内でよく使われている5大求人検索エンジンのメリット・デメリットを徹底比較します。ぜひ採用活動の参考にしてください。
求人検索エンジン①:Indeed
近年、一気に知名度をあげているIndeed(インディード)。2012年にリクルートホールディングスの完全子会社となりました。本社はアメリカにあり、日本のみならず世界50カ国以上、28種類の言語でサービスが展開されており、月間約2.5億人の訪問者を記録しています。
有料掲載だけでなく無料掲載も可能で、幅広いプランを選択できるのが大きな特徴です。連携可能な採用管理システムを使えば、採用活動を一括管理できますよ。
一方で、1日に多くの新規求人広告が公開されるため、自社の情報を埋もれさせないために運用の最適化が必要です。一定期間経ったら掲載内容を編集したり、クリック単価を調整したりといった工夫が必要でしょう。そのため、初めて広告を運用する方にとっては、難易度が高めだといえます。
メリット
・日本最大級の求人検索エンジンなので、ユーザーが多い
・無料掲載が可能
・予算に応じた掲載プラン選択が可能(1クリックあたり15円~)
・採用管理システムとの連携が可能
デメリット
・1日に公開される新規求人が多いため、無料掲載だと埋もれてしまう可能性がある
・運用型の求人広告のため、定期的な編集が必要
・運用の難易度が比較的高め
求人検索エンジン②:スタンバイ
スタンバイは「採用費0」をコンセプトにしているだけあり、求人情報掲載がすべて無料。もちろんシステム利用料や成約手数料もかからないので、比較的始めやすい求人検索エンジンといえるでしょう。もちろん予算などに応じて有料枠の運用やオプション選択もできるので、採用活動の幅を広げられるのも魅力です。
デメリットとしては、Indeedなどに比べたら、検索した際に上位表示されにくい=比較的SEOに弱いという点があげられます。しかし、職種や検索する機器(PCやスマホなど)によっては他サイトよりも上位表示されることもあるので、まずは募集したい職種をリサーチしてから使用を検討するのもいいかもしれませんね。
メリット
・無料掲載が可能
・求人広告作成代行や有料枠の運用などの外注が可能(有料)
・職種ランキングなどユーザー目線のコンテンツがある
・「Yahoo!しごと検索」にも掲載される
デメリット
・比較的SEOに弱い
・国内ユーザー数が少ない
求人検索エンジン③:Googleしごと検索
「Googleしごと検索(Google for Jobs)」は、Googleの機能のひとつ。ユーザーが求職に関連するキーワードをGoogle検索したら、自動でニーズに沿った求人広告が検索上位に表示される便利なサービスです。検索するだけで直接募集している企業の情報が見られるので、求職者にとってはとても使いやすい機能といえます。
「Googleしごと検索」に求人広告を掲載すれば、SEO対策をしなくともユーザーのニーズに沿ったものが表示される仕組みが採用されています。そのため、SEO対策が弱い企業も多くのユーザーの目にとまる可能性があります。
メリット
・検索画面にGoogleしごと検索の枠が設けられているため、SEOの影響を受けない
・他求人検索エンジンより上位表示される
・無料掲載が可能
デメリット
・有料枠での運用サービスがない(2020年6月時点)
・自社で求人広告の編集ができない
・掲載の手順が複雑
求人検索エンジン④:Careerjet(キャリアジェット)
Careerjet(キャリアジェット)は、日本のみならず世界90カ国以上、28言語で利用されている求人検索エンジンです。イギリスのロンドンで発足したCareerjet Limitedが2003年6月に運営を開始しました。
Indeedや求人ボックスに比べたら日本での知名度はまだそこまで高くはありませんが、世界屈指のサービスといえるでしょう。そのため、世界に向けて求人活動を行いたい企業や、その他の求人検索エンジンに掲載しても目立たなかったのでほかを探しているという企業は、掲載している企業が少ない=競合が少ないので、有効的な運用ができるかもしれませんね。
メリット
・国内で利用している企業が少ない
・世界各国に求人広告を掲載できる
デメリット
・無料掲載枠がなく、有料掲載のみ
・国内ユーザーが少ない
求人検索エンジン⑤:求人ボックス
「求人ボックス」は、あらゆる家電や雑貨、食品などを比較することができるサイト「価格.com」や、さまざまな飲食店情報が閲覧できる「食べログ」などの運営実績のあるカカクコムが展開するサービスです。2015年にサービスを開始してから徐々に知名度をあげています。
日本企業のサービスなので、国内ユーザーが使いやすいコンテンツとなっているのが特徴。クリック単価も50円~100円なので手軽に始められ、管理しやすいのも嬉しいポイントです。無料掲載枠もあるので、まずは試しに利用を始めてみてもいいかもしれませんね。
手軽に始めやすい理由のひとつに、求人の運用改善をするポイントがあまりない点もあげられます。クリック単価のふり幅が少なく、競合との差別化が図りづらい仕様となっているため、とにかくすぐに採用活動を始めたいという場合には向いていますが、じっくり競合他社も参考にしながら改善して運用していきたいという場合には不向きといえるでしょう。
メリット
・国内サービスのため、ユーザーが使いやすい仕様になっている
・クリック単価が比較的少額なので、費用の管理がしやすい
・無料掲載が可能
デメリット
・運用面で改善できることが限られている
・最低単価が50円と決まっているため、これ以上クリック単価を下げることができない
業種・職種・会社規模ごとにおすすめの求人検索エンジン
ここまで、日本でよく使われている求人検索エンジンの特徴をご紹介しました。しかし、それだけではどのサービスを利用すればよいのか分かりませんよね。
そこで、業種や職種、会社の特徴にあわせたおすすめ求人検索エンジンをご紹介します。優先順位をつけながら、ぜひ効率的な採用活動に役立ててくださいね。
営業職を募集している場合
営業職はどの企業にも必要不可欠な人材なので、求人募集している企業は非常に多いといえるでしょう。また、営業職に就くにあたって必要な国家資格などはない場合が多く、どの求人検索エンジンに掲載しても一定数のニーズがあるといえます。
大手企業で予算に余裕がある場合は、Indeedや求人ボックスといった特に知名度が高いサービスに掲載することで、多くのユーザーへのアプローチが可能です。一方、中小企業で予算も限られているという場合は、無料掲載ができる求人検索エンジンをいくつか利用し、効果が見込めそうなところへ予算を投入する方法がおすすめです。
また、営業職は若手社員の採用を狙う場合が多いため、20~30代前半の利用者が多い「エン転職」といった転職サイトへの掲載を視野にいれてもいいかもしれません。
グローバル人材を採用したい場合
外資系企業などが増えている昨今、グローバル人員の採用を考えている企業が増えています。その場合、おすすめなのがCareerjet(キャリアジェット)の利用です。日本で仕事を探しているグローバル人材へ、効率的なアプローチが可能です。
有資格者を採用したい場合
医療関係や税理士・弁護士など、国家資格が必要な職種の募集は、求人ボックスの利用がおすすめです。すぐに入社できる可能性の高い国内の有資格者に向けたアピールができるのと同時に、Indeedなどよりも競合が少ないので求職者の目に留まりやすいのもポイントのひとつ。
また、職種から求人を探すことができるので、ユーザーにとっても求人情報が探しやすい仕様となっています。
求人検索エンジンの活用法
求人検索エンジンは、うまく利用すれば効率的な採用活動が可能となるツールです。複数のサービスを利用することで、より多くの求職者へアピールできます。まずは無料枠を使ってみて、効果のあったサービスの有料枠を利用するのが効率的でしょう。一方で、がむしゃらにサービスを利用しても、運用方法が間違っていれば予算の無駄遣いにもなりかねません。そうならないためにも、「募集職種」「ターゲット層」「雇用形態」「予算」などを事前に明確にしておくことが大切です。
また、人材が労働市場に流れやすい春・秋の採用に向けた、計画的な採用プランがとても大切です。これらのアドバイスを的確にしてくれるのが広告代理店なので、予算がある場合は相談してみるのもいいかもしれませんね。もちろん求人広告の有料枠の運用も併せて任せるのも方法のひとつ。自社で運用する場合はセミナーなどに参加してみるのもおすすめです。
まとめ
求人検索エンジンは、かしこく利用することで効率的に人材の確保ができるサービスです。しかし、必ずしも採用成功ができるツールではないので注意が必要です。最適な予算運用ができるよう、常に求人広告の刷新を心掛けましょう。
優秀な人材をスピーディーに確保するためにも、ぜひこの記事を参考にしながら自社にあった求人検索エンジンを探してみてくださいね。