無断欠勤で連絡が取れなくなった社員への対処法

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社会において企業を悩ませる問題のひとつに、社員の「無断欠勤」があげられます。文字通り、上司やメンバーへの欠席連絡をせず「無断」で会社を「欠勤」することです。もしかしたら、無断欠勤の社員が部署にいたという方もいるのではないでしょうか。

「昨日まで元気に出社していたのに…」「何か事故に巻き込まれていないか心配…」など、連絡がないと不安になってしまいますよね。しかも、きちんと対応しないと労働力の喪失社員のメンタル悪化による事件の勃発といったさまざまなリスクを抱えることとなってしまいます。しかし、いざ無断欠勤を目の当たりにすると具体的に何をすればよいのか分からない、とい担当者も少なくありません。そこで今回は、社員が無断欠勤した際の正しい対処法をご紹介します。

無断欠勤への対処に時間がかかってしまうと、労働力不足による損失の拡大・給与を支払い続けることによる経済的ダメージなどを被ることになりかねません。この記事を参考に、ぜひスピード感のある処理を心がけましょう。

「無断欠勤」とは?

「無断欠勤」とは、読んで字のごとく会社への断りなしに仕事を休むことです。始業時間になっても姿が見えず、心配になって本人に電話やメールをしてもつながらない状態を指します。

また、1度だけではなく、何度も無断欠勤を繰り返す社員に頭を抱えている会社も少なからずあるのが実情。このような社員が在籍する部署では、メンバー間の信頼回復が難しいだけではありません。業務のしわ寄せが他メンバーにきたり、案件が思うように進まなかったりと、多くの弊害が出てきてしまいます。

社員が「無断欠勤」をする理由

会社から見れば、社員が無断欠勤をすることで大きな損失が発生します。しかし、頭ごなしに無断欠勤をした社員が悪いと判断するのは止めましょう。無断欠勤をしてしまう理由はさまざまで、「労働意欲があっても気持ちや体力がついていかない」「誰にも言えない人間観関係で悩んでいる」というパターンも少なくありません。ここでは、無断欠勤にいたるまでの背景をいくつかご紹介します。

理由①:メンタル系の病気

ストレス社会と言われている現代において、うつ病を代表とするメンタル系の疾患を抱える社会人は年々増加傾向にあります。メンタル系の疾患は、まじめな人や完璧主義の人がかかりやすいといわれており、仕事に対して誠実な人が多いのが特徴。

また、ケガやと違い、見た目だけでは判断ができない場合がほとんどです。本人でさえうつ病が進行していることに気づかず、ある日ベッドから起き上がれなくなって初めておかしいと認識するというパターンもあります。

少しでも社員の様子がおかしいと感じたら、ぜひ気にかけるようにしましょう。何か落ち込んでいることがあれば、同僚に様子をうかがいつつ話を聞いてあげてくださいね。

理由②:上司・他の社員からのセクハラやパワハラに悩んでいる

職場におけるストレス要因のひとつに、人間関係があげられます。労働政策研究・研修機構(JILPT)の資料でも、早期退職理由の第2位に人間関係がランクインしているのです。中でも、上司や他の社員からのパワハラ・セクハラにストレスを感じている場合が多くあります。

しかし、職場の雰囲気を悪くしたくないという理由で我慢してしまう社員も少なくありません。言葉で傷つけられたことを誰にも言えず、一人で抱えてしまった結果、無断欠勤という選択をしてしまうのです。

パワハラやセクハラは、受け手側が嫌な思いをしたらハラスメントと認定されます。上司や他の社員も悪気がない場合もあるので、パワハラ・セクハラを認識していない場合も多いのです。まずは間接部門などの第三者が話をよく聞いて、適切に対応を進めていきましょう。

理由③:事件・事故に巻き込まれた

予期せぬ事件・事故に巻き込まれたために会社への連絡ができないということもあります。事件や事故の際には、警察などから連絡が来る場合もあるので、しばらくは会社で待機しておくのがベターでしょう。

しかし、一向に連絡が取れない場合は本人の緊急連絡先に連絡して状況を確認したり、自宅へ訪問していたりといった対応が必要です。もちろん本人への電話・メールは繰り返し行ってくださいね。

「無断欠勤」を行っている社員への対処法

無断欠勤の大まかな理由が分かったところで、具体的な対処法をご紹介します。何よりも大切なのは、状況を正確に判断することです。頭ごなしに責めたりせず、本人と連絡が取れる場合は、まずしっかりと話を聞きましょう。

対処法①:解雇

2週間以上無断欠勤が続く」「何度も注意・指導したが、改善がみられない」という場合は、解雇することが可能です。法律上、無断欠勤を理由とした解雇を認めるための詳細な基準は設けられていません。そのため、企業ごとの「就業規則」で定義しておくのがベター。労働基準監督署へ解雇を届け出る際にも、有効な資料となりえます。

解雇における3つのルール(「e-Gov」より引用)

●解雇理由の明示

●解雇権の濫用による解雇は無効

●解雇予告の義務

労働者の権利を守るため、上記のルールが設けられています。いくら連絡がとれないからといって解雇通知を怠ってしまえば、会社側が訴えられる可能性もあるので慎重な対応が必要です。会社の就業規則にも、「2週間以上の無断欠勤が続いた場合は解雇」など、具体的な数値とともに内容を明示しておきましょう。

対処法②:休職制度の適用

「いざ話を聞いてみたらメンタル系の疾患を患っていた」「人間関係にひどく悩んでいた」という場合には、社内の休職制度を案内しましょう。人の心は身体と同じで、疲れたら休息が必要です。無理に励ましたり背中を押したりするのではなく、社内の休職制度を利用させてみてはいかがでしょうか。休職制度に関しても、就業規則に詳しく記載をしておくとトラブルの防止にもつながるでしょう。

また、なかなか自分たちだけでは心の回復までつなげられない、という場合は産業医に相談するのもおすすめです。産業医と相談しながら労働環境を改善し、より社員が働きやすい環境を整えましょう。

無断欠勤中の社員に対する給与・有給休暇はどうなる?

結論からご紹介すると、無断欠勤中の社員に対する給与の支払い義務はありません。また、有給休暇においても無断欠勤分を有給休暇として処理する必要はないです。つまり、無断欠勤中に会社側から本人へ金銭を支払う義務はないということです。

理由は、無断欠勤=労働をしていない状態なので、労働対価としての給与は発生しません。同時に、無断欠勤によって生じた損害を、ペナルティとして本人に請求することも法律上できないので注意しましょう。一方で、これらの決まりは無断欠勤者の賃金を100%保証するものではありません。度合いによっては減給になることもありえます。また、無断欠勤による賃金支払いの請求期限は2年です。仮に2年より前の無断欠勤に関して、賃金を請求されるようなことがあっても支払い義務は生じません。

有給休暇に関しては、取得の際には必ず本人による申請が必要とされています。そのため、連絡のつかない社員の有給休暇を会社側が有給休暇として処理することはできません。仮に連絡が取れた場合は、労働継続の意思があるかなどを確認しながら、休職制度とあわせて本人と相談するのがよいでしょう。

まとめ

企業を悩ませる「無断欠勤」ですが、会社の士気をさげないためにもスピード感を持った対応が大切です。対応に時間をかけてしまえばしまうほど、会社に対する損害も膨らんでしまうので注意しましょう。

また、無断欠勤は決して褒められたことではないでありませんが、それなりの理由を抱えた結果というケースも少なくありません。まずは無断欠勤した社員を頭ごなしに否定するのではなく、話をじっくりと聞いてあげてくださいね。社員の無断欠勤に驚いてしまうかもしれませんが、大きなトラブルに発展しないよう、適切な処理が重要です。

この記事を書いた人
よしたかあしょう

新卒で人材営業を経験のちに、文章の楽しさにめざめライターへ転身。音楽系メディアや地域情報誌(フリーペーパー)での執筆を経たのち、サイト制作でCMSライティングを学ぶ。現在は、人事・経営関連の記事を中心に執筆中。

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