試用期間でクビはあり得る!解雇される新卒の条件や防止策まとめ

労務

新しい社員の受け入れをしている企業の方は、最初の数ヶ月間は試用期間としていることが多いかと思います。

中でも、新卒社員の試用期間については、中途社員と比べると色々と知っておくべきことがあるようです。

例えば、新卒でも試用期間中に解雇するようなことは起きるのか?解雇の対象となる新卒の特徴は?解雇しなければならなくなった際にもめないためにはどうしたらいい?

当コラムでは、上記のような新卒の試用期間中の解雇に関する内容を記載しています。入社後に新卒社員とトラブルにならないためにも、ぜひ参考にしてみてください。

新卒は試用期間中に解雇できる?これを守れば大丈夫!

改めてにはなりますが、試用期間とは、新卒社員が自社にとって適性(勤務態度、スキルや能力)があるかどうかを、見極めるために設けている期間のことです。

試用期間としての長さは1〜6ヶ月程度が一般的なようです。労働基準法での明確な定めはありませんが、長期雇用を前提とした雇用契約を企業側と採用された人で締結している状態のため、企業は正当な理由がない限り、簡単に解雇はできません。

正当な理由として挙げられるのは、例えば下記のようなものです。

  • 学歴などの経歴詐称
  • 勤務態度の悪さ
  • 出勤不良
  • 犯罪などを犯した
  • 怪我や病気で仕事を続けることができない状態になった

客観的にみても解雇理由として、合理的であると認められる場合は、解雇することができます。
反対に、「なんとなく今後辞めそう」「能力の伸び余地がなさそう」など、そういった感覚的な判断での理由では解雇の正当な理由になりません。

正当な理由として当てはまると分かった場合、雇用契約を解除するための、「解雇通知書」というものを用意しなければなりません。

「解雇通知書」とは、解雇日と解雇事由が記載されている書面になり、解雇日については、労働基準法で定めがあります。

試用期間であったとしても、通常の解雇と同じく、解雇日の30日前までに予告する(解雇予告)、もしくはそのかわりに、解雇予告手当として平均30日分以上の平均賃金(試用期間3ヶ月で支払われる予定の平均を1日分で換算した賃金)を支払うことが義務付けされています。

また、解雇通知書を出す前に、あらかじめ就業規則と解雇通知書の内容が一致するかどうかを確認しておきましょう。

試用期間に解雇される新卒の特徴

基本的には試用期間での解雇は滅多に発生しないことではありますが、実際には、試用期間で解雇に至った事例はあるようです。

試用期間に解雇されてしまった新卒の特徴を、解雇の理由が正当だと判断された事例でわかりやすくご紹介いたします。

事例1:提出書類の虚偽が理由で解雇

採用前に提出書類としていたレポートなどにより、日本語による実務能力について特段問題なく、業務を遂行できるだろうという前提で採用されたが、実際には日本語による実務能力がなく、解雇をした。

事例2:勤務態度の悪さが理由で解雇

6ヶ月の試用期間の4ヶ月経過時点で、下記のような勤務態度の悪さが理由で解雇した。

  • 睡眠不足により、集中力の欠如が生じ、またそれを指摘・指導するにも改善しなかった
  • 研修中に、門限を破る、やるべきことをやらずに外出する、などをした

新卒が試用期間で解雇になる理由としては、ほとんどが能力やスキルというよりも、上記のような勤務態度の悪さなど、解雇理由が正当だと認められる場合がほとんどのようです。

試用期間の待遇は事前の説明が大切

もし仮に試用期間中に解雇をしなければならなくなった際にもめないためにも、試用期間の待遇については、事前にきちんと新卒社員に説明しておく必要がありそうです。

どんなことを説明しておけば良いのか、下記にまとめました。

試用期間の待遇で説明しておいた方がいいこと

  • 試用期間とはいえ、採用後の実際の勤務を通して新卒社員の適性を評価し、本採用への最終的な判断をする期間だということをきちんと説明する。
  • 試用期間中は、「解約権留保付」の労働契約になるため、通常の解雇時よりも、解雇理由が比較的広い範囲において認められることも合わせて説明する。
  • 新卒がきちんと理解しやすいように、具体的な解雇に当たるような具体的な事例(勤務態度や学歴詐称、出勤不良など)を伝える。

まとめ:試用期間に入る前の説明をしっかりと

新卒の試用期間における解雇に関する内容をお伝えしました。いかがでしたでしょうか。

試用期間の解雇においては、裁判沙汰になっている事例も多いようですから、実際に大ごとになる前に、事前の対応や準備をしておけることはありそうですね。

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